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リヨンから日本へのメッセージ

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リヨンから日本へのメッセージ

フランス・リヨン市の代表団が来日
「日本のイメージは(外国人にとって)とても曖昧(さらにはネガティブ)なので、日本を実際に旅してみるとこれまでに体験したことのないような嬉しい驚きがある」。日本国内専門の旅行会社ジャパン・エクスペリエンスのティエリー・マンソン氏はよくこんな話をする。同じようなことがジェラール・コロン氏についても言えるかもしれない。一見パッとしないフランス・リヨン市長コロン氏。フランスの政治家の中でも特に地味で、来賓として招待されているのに会場ではいつの間にかその他大勢の中に紛れ込んでしまう、まるで公式代表団の中に一人潜入した密航者のような雰囲気なのだ。だが彼の話にはよく耳を傾ける必要がある。その単調な話し方に反して驚くほど派手な成果や、俄かには信じがたいエピソードが次々に飛び出てくるからだ。実は古典文学教授資格の持ち主でもあるコロン氏が下町風のアクセントで語るのは、例えばこんな話だ。「先日クリント・イーストウッドが光の祭典(リヨンの有名なフェスティバル)に来てくれました」、「ヘルツォーク&ド・ムーロン建築設計事務所がコンフリュアンス地区を再開発中です」、「隈健吾氏の手によるポジティブ・エナジー都市区画がリヨンに誕生しました」。誰かの代役のような雰囲気の同氏だが、エマニュエル・マクロン(経済大臣)の中心的支持者という顔も持つ。 「激動する世界にあって、フランスはいわば停止状態にあります。私は国全体にダイナミズムを創出したいと望んでいるのです」。東京を訪れた同氏は、マクロンへの賛同の理由を非公式にこう説明した。

目的地リヨン
ジェラール・コロン氏は、リヨンの魅力をPRする 40名の代表団団長として来日した。リヨンにとって日本が昔から(そして今も)重要なパートナーであることを改めて認識させられる大規模訪問団である。「最初の訪日は1999年でした。コンタクト先も増えてきています」と(長旅の疲れを見せながら……)市長は述べた。歴史上、リヨンはフランスにおける日本への玄関口である。訪問団の報道資料にはこう記されている。「リヨンと日本の経済的・文化的な接点は19世紀半ばに生まれました。当時リヨンは自他ともに認める世界的な絹織物の中心地でしたが、欧州全土を襲った蚕の病気により大きな打撃を受けます。この時新たな原料の調達先として目を向けられたのが日本でした。1860年頃にはリヨン出身の複数の貿易商が横浜に居を構え、輸出入業務を行う事務所を立ち上げました。最大の日本産生糸取引地横浜は、ほどなくリヨンの大切なパートナーとなったのです」。ジェラール・コロン氏は当時を振り返り「リヨンの絹織物業者は開港時から横浜港に駐在していました」と誇らしげに語った。

リヨンの現在
日本人にとってもリヨンは大切な街だ。現在リヨンはパリに次ぐフランス第二の日本人コミュニティを抱え(約3000人)、この地に進出している日系企業はジェイテクト(従業員1700人) 東レプラスチック精工(社員500人)、ダイキンケミカルを始め60社にも及ぶ。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、ポジティブ・エナジー・ビルディング建設のためコンフリュアンス地区に5000万ユーロを投じた。
ジェラール・コロン氏はこれまで単なる経由地に過ぎなかったこの街を目的地へと変貌させた。「かつてリヨンは通過点でした。投資家はリヨンを素通りしてフランクフルトへ行ってしまう状態でした。私たちはビジネス旅行分野に多額の投資をしましたが、これが後に娯楽旅行へとつながり、今ではアジアなど『遠国』からの旅行者が増えつつあります。リヨンからはわずか1時間半で海にも山にも行けるんです!」と市長はPRする。リヨン都市圏を訪れるアジア人観光客の筆頭が日本人だ。
また日本人の頭の中には「フランス随一の食の都」というリヨンのイメージが(時にはフランス人よりも)しっかりと定着している。例えば、伝統ある辻調理師専門学校のリヨン校には毎年100人近い日本人学生が学んでいる。そして有名シェフ、ポール・ボキューズは、料理の分野にとどまらず日本で最もよく知られたフランス人の1人だろう。リヨンの「ブッション(居酒屋)」の厨房で料理人としての第一歩を踏み出した日本人シェフも少なくない。世界で最も権威ある料理人コンクールの1つ、ボキューズ・ドールの2015年大会では日本代表が第5位を獲得、2017年大会のファイナリスト(24人)にも選出されている。さらに世界中の美食家が注目する国際美食館(2018年オープン予定)、その最初の招待国となるのは他ならぬ日本だという。リヨンは、ある意味日本の料理人や菓子職人を突き動かす強い原動力になっている。「日本の職人には感銘を受けました。日本にはフランス人の上をいくチョコレート職人やフランス菓子職人がたくさんいます。私などまだまだですよ」と打ち明けるのは、リヨンの有名なチョコレート職人、セバスチャン・ブイエ氏。2007年に日本進出した同氏は、今年東京の3つの百貨店に出展した。

お手本はリヨン
リヨンはまた日本に多くの手本を示している。例えば官民パートナーシップ。リヨンではお馴染みの手法だが、日本政府も、民間企業に業務委託してインフラ運用経費をカットする賢明な方法としてその有用性を認識しつつある。これはフランス独自のノウハウで、中でもリヨンはその代表格だ。日本における最近の成功事例としては、ヴァンシ・エアポート(関西2空港の運営)、ヴェオリア(汚水処理、最近は廃棄物処理も)、エムシードゥコー(バス停広告の運営管理)などが挙げられる。

文化に重点
しかし、最も注目されるのは政策運営に占める文化の重要度の高さだ。これは、都市景観だいまいちの日本の市町村のロードマップとして大いに参考になるだろう。機能性のみにこだわった新しい建築物が立ち並ぶ都市は、贔屓目に見ても味気なく、最悪の場合は目も当てられない景観を生み出す。ジェラール・コロン市長はリヨンの魅力を創造するにあたりその美観を重視した。「以前から建築に強い関心を持っていました。30年前、プエルト・マデロ港の跡地を住宅街に整備した頃のブエノスアイレスを思い出します。それにバルセロナ港やロンドンのドックランズなども興味深いですね」。リヨンにとって文化は「市長の高価な道楽」ではなく、前年度予算の剰余金によるおまけのプロジェクトでもない。ましてや財政が苦しくなればカットすべき無用の金食い虫とみなされているわけでもない。それは意思決定の核であり、繁栄の礎なのである。「2008年以降、市役所のあらゆる課に文化担当者を配置しました。病院の建設について話し合う時にも美観を考慮します」とその意欲溢れる取り組みについて語るのは、文化担当筆頭助役を務めるジョルジュ・ケペネキアン氏。光の祭典やブリッジ世界選手権、ボキューズ・ドール、そして国際図書館連盟年次大会――リヨンはモノを作るだけでなく、コンテンツの充実にも熱心だ。2016年UEFA欧州選手権の試合会場として、つつがなくホスト役を果たしたことも記憶に新しい。このように日本にとって参考になりそうな事例は枚挙にいとまがなく、こうしてみるとリヨン市長には今後も度々訪日の機会があるのではと思わせられる。リヨンが本拠地のサッカーチーム「オリンピック・リヨネ」の試合を横浜で開催するという案は延期に延期を重ねているが、もしかしてその試合を市長が観戦に訪れる日も近いかもしれない。「遠方ですし、国内リーグ開幕までに余裕をもった遠征スケジュールを立てる必要があります。なかなか難しいんです」とジェラール・コロン氏。「私の人生における最大の後悔の1つは、桜の季節に一度も来日していないことです」と、コロン市長は儀礼的な言葉で締め括った。

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