旨いまずいは日本次第

衛生基準に関する日本政府の妥協しない態度は、関税障壁を取り払う努力に相反するものだ

特集  |   | RA

関税引き下げ

ヨーロッパが日本に輸出する農産物の割合は、輸出全体の10%に過ぎない。しかしその潜在的な成長力は非常に大きく、日EU貿易交渉の争点の一つとなっている。

EUは関税面で多くの進展を得た。「EU側にとって交渉の争点である農産物のうち、85%にあたる製品の関税が将来的に撤廃されます」と、欧州委員会は説明する。EU農産物の日本への最大輸出品目である豚肉の関税は、段階的に引き下げられる。パスタ、チョコレート、ビスケット、ゼラチンといった大量に消費される加工品の関税は、今後10年以内に取り払われる。フランスにとってとりわけ重要な生産品目であるハード系チーズやワインについても、関税は消滅する。牛肉の関税は38.5%から9%に引き下げられる。

しかし、この自由化への流れは、ほかの力によってブレーキがかけられている。真っ先に挙げられるものに、食料添加物の問題がある。日本は、全世界が基準としている国連の農産物法典、コーデックス・アリメンタリウス(国際食品規格) を承認していない。世界のいたる国で認可されており、生産者が慣例的に用いている多数の添加物(着色料、保存料など)を認めていないのだ。たとえば多くの甘味商品(ソーダ、シロップ、デザートなど)に含まれているアゾルビン、グリーンS、パテントブルーなどの着色料がそれにあたる。ヨーロッパの製品がこれらの添加物を含む場合、日本で流通させることができない。

トレーサビリティ

「日本当局には、我々の邪魔をしようとする意図的なものがあるとしか思えません。日本とヨーロッパは単に、科学、産業、規準に関して同じ経緯をたどっていないというだけのことなのです。特徴的な例を挙げれば、80年前、東京大学の教授がある添加物の実験結果を日本向けに定義しました。一方、ベルリンの教授は同じ添加物に対して異なる定義をしました。以来、慣行が互いに異なっているのです」と、食品添加物会社の社長は説明する。日本側は少なくとも35種の添加物の承認を約束した。コーデックス規格を考慮に入れることについても同様だ。これは製品分類の明確化につながるだろう。「同じ食料品であっても、税関の"都合"によって、"冷凍食品"類から"菓子"類に分類されることがあります。関税は5%から25%まで幅があるのです」と、ある輸入業者は話す。

ほかの問題もある。日本はトレーサビリティの要求が非常に高いことだ。「フランスの子羊肉を売る場合、この家畜にかかわったすべての事業者(畜産農家や食肉処理場、加工会社、貯蔵会社、運送会社)が日本政府に認可されるかを確かめなければならないのですよ」と、ある輸入業者は毒づく。日本の 税関はまた、製造データについては周知のとおり妥協せず、
ときに製造方法の営業秘密まで生産者に要求してくるほどだ。「ソーセージを輸入したいと思えば、税関は中身の胡椒つぶの産地を聞いてくるのです!きりがないです。すべてを知りたがるのですから。他国の地域は、ここまで厳格ではありませんよ」と、この輸入業者は憤慨する。

衛生安全

しかし最も懸念が大きいのは、衛生安全面についてだ。全世界が、食の安全に対する消費者の過剰な心配、「安全の   強迫観念」にとらわれている。この傾向は日本も例外ではな い。しかも保護主義の障壁を築くために、それを利用してい るとの声も聞こえてくる。たとえば鳥インフルエンザ。ドルドー ニュ県で鳥インフルエンザの発生が確認されて以来、2015年  以降のフランス産の家禽製品は全て日本への輸出が禁止さ れた。通常最初に影響が及ぶとみられるEUの27加盟国は、国際獣疫事務局(OIE)の規定に沿って、「病原体管理区域」をドルドーニュ県に限るとしたフランスの提案を承諾した にもかかわらずだ。日本が世界一の輸入国となっている「フォアグラ」関連業者にとっては、とりわけ手痛い措置と なった。「日本は地域を分けて考えません。一つの地域で症例 が発生すると、フランス全土を制裁の対象とします。アルザス 地方で確認されたからといって、プロヴァンス地方にも及ん でいるとは限らないのに」と、輸入業者は不満を口にする。  農産物がクリアしなければならない篩(ふるい)の目は、オリンピックが開かれる象徴的な年の2020年が近づくにつれて、ますます細かくなるだろう。あらゆる細菌を締め出さ なければならないからだ。各国の保健当局が十分把握して いるリステリアや大腸菌群などの細菌に対する基準値が、日本では驚くほど低い。「これほどの衛生上の制約、つまり資金的制約があれば、もはや小規模生産者や職人は2020 年以降、日本へ輸出ができなくなるでしょう」と、輸入業者は警告する。こうした「小規模生産者」は、日EU協定が明確に保護を約束している。「私たちとしては、農産物の中小企業が脅かされるとは思いません」と欧州委員会は考えている。

「フランス・ジャパン・エコー」の一覧を見る

雑誌「フランス・ジャポン・エコー」

雑誌「フランス・ジャポン・エコー」

賛助会員

    • A. RAYMOND JAPAN CO., LTD
    • AGS
    • AIR FRANCE
    • AIR LIQUIDE JAPAN LTD
    • AKEBONO BRAKE INDUSTRY CO., LTD
    • ANDAZ
    • AXA JAPAN HOLDING CO., LTD
    • BACCARAT PACIFIC KK
    • BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD
    • BLUEBELL JAPAN LTD
    • BNP PARIBAS
    • BOLLORE LOGISTICS JAPAN K.K.
    • CHANEL KK
    • CLARINS KK
    • CLUB MED K.K.
    • CREDIT AGRICOLE CORPORATE AND INVESTMENT BANK
    • DAIMARU MATSUZAKAYA DEPARTMENT STORES
    • DAIWA HOUSE
    • DANONE JAPAN CO., LTD
    • DATAWORDS JAPAN KK
    • DELOITTE TOUCHE TOHMATSU
    • DIGITAL SURF
    • EDENRED
    • ERNST & YOUNG
    • FAST RETAILING
    • FAURECIA JAPAN KK
    • FRENCH FANDB
    • GARDE
    • GODIVA
    • GRAM3
    • GRAND HYATT TOKYO
    • GROUPE SEB JAPAN CO., LTD
    • GURUNAVI
    • HACHETTE COLLECTIONS JAPAN KK
    • HAYS
    • HERMÈS JAPON CO., LTD
    • HYATT REGENCY TOKYO
    • ICHIKOH INDUSTRIES
    • JK HOLDINGS
    • KERING
    • KPMG
    • L'OREAL
    • LAGARDERE ACTIVE ENTERPRISES
    • LEFEVRE PELLETIER & ASSOCIES
    • LONGCHAMP
    • LVMH MOËT HENNESSY-LOUIS VUITTON
    • MARUYASU INDUSTRIES
    • MAZARS JAPAN KK
    • MIKADO KYOWA SEED
    • MITSUI FUDOSAN
    • NATIXIS TOKYO BRANCH
    • NESPRESSO
    • NIHON MICHELIN TIRE CO., LTD.
    • NIKON-ESSILOR CO., LTD
    • NISSAN MOTOR CO., LTD
    • NTN CORPORATION
    • ORANGE JAPAN
    • OTSUKA CHEMICAL CO., LTD
    • PARK HYATT TOKYO
    • PERNOD RICARD JAPAN KK
    • PEUGEOT CITROËN JAPON CO., LTD
    • PIERRE FABRE
    • PRIOR CORPORATION
    • PURATOS
    • PWC
    • RELANSA, INC.
    • RENAULT
    • RICHEMONT JAPAN LIMITED
    • ROQUETTE JAPAN KK
    • S.T. DUPONT
    • SAINT-GOBAIN (GROUP)
    • SANOFI
    • SIA PARTNERS
    • SMBC
    • SOCIÉTÉ GÉNÉRALE
    • SOLVAY JAPAN
    • SWAROVSKI JAPAN
    • SYSMEX BIOMERIEUX CO., LTD.
    • TASAKI
    • THALES JAPAN KK
    • TMI ASSOCIATES
    • TOTAL TRADING INTERNATIONAL SA., TOKYO BRANCH
    • TOYOTA BOSHOKU CORPORATION
    • TOYOTA TSUSHO
    • VALEO JAPAN CO., LTD
    • VALRHONA
    • VEOLIA WATER JAPAN KK
    • WENDEL JAPAN KK

地図

東京オフィス
〒102-0085 東京都千代田区
六番町5−5 飯田ビル
Tel : 81-3-3288-9621 | Fax : 81-3-3288-9558
(地図を印刷する)

関西デスク
〒530-0004 大阪市北区堂島浜1-4-19 マニュライフプレイス堂島9階
ボロレ・ロジスティクス・ジャパン株式会社
Tel : 81-6-4795-5126 | Fax : 81-6-4795-5032
(地図を印刷する)

お問い合わせ
コンタクトページへ