3つの不可侵領域

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原産地呼称統制(A.O.C.)

喜ばしい協定が締結された。日本と欧州は、互いの原産地呼称を保護することで合意した。数年前では考えられないことだ。日本政府は、アングロサクソン圏同様、地理的表示よりもメーカーを重視してきた。産業界も国も、真面目な小規模生産者に多大な保護を与える欧州の方式は採らない方針だった。しかし、タイ産の「夕張メロン」や香港産の「北海道うどん」、中国産「コシヒカリ」等々、自分たちの「テロワール」がデリカシーのない偽造者に侵食されるようになり、欧州の方式を受け入れることにした。日本の地理的表示システムがスタートし、すでに39品目が登録されている。

欧州からは、食品71品目(アジャンのプラム、フランシュ= コンテのコンテ、ブリー・ド・モーなど)とワイン・スピリッツの139銘柄(アルマニャック、ポムロール、ソーテルヌなど) のリストが当局に提出されている。つまり、この条約が施行されれば、リストに載っている製品は商品化が禁止される。例えば、アメリカのKRAFT社は、米国製の「パルメザン」を日本で販売しているが、これも商品名を変えなければならなくなるだろう。しかし、日本の原産地呼称は欧州のAOCほど厳しい条件ではないと多くの欧州の輸入業者が指摘してい る。このような曖昧さを残す方式では、日本の「テロワール」文化の発展は妨げられることになるだろう。

安全性は問題ない

「無理なのなら、あきらめたほうがいい」。これは、鉄道車両の輸入問題を担当する在日フランス商務担当官の失望したコメントである。この担当官は、市場があまりに閉鎖的で、話し合いの意味もなかったと言う。日本は何も手離そうとしなかったのだ。フランス鉄道事業者連盟(FIF)によれば、欧州の鉄道事業は世界の鉄道市場の50%を占めているのに、日本でのシェアは0.3%である。しかし、日本にも譲歩の兆しが見え始めた。「業務安全条項」がEPA発効の1年後に撤廃されることになった。これまでは  この条項によって、安全上の理由から海外の業者は入札から排除されてきた。安全上の理由というのは当局の口実であり、日本の鉄道産業界は安全基準を独自に設けることで外国の業者を締め出していたのだ。しかしこの条項は今後、40万ユーロ以上の調達には適用されなくなる。それを条件として、EU側も鉄道市場を開放することになるだろう。EUは、この条項の不適用によって「開放」された金額に相当する金額の契約については、日本の業者も認可する。偶然かもしれないが、8月半ば、部品製造業の日本精工株式会社がフランス高速列車TGVの車軸用軸受を受注した。これはヨーロッパにとって小さな一歩だ。「私たちは、日立が2013年に英国で大型契約を受注したあと、日本は市場を開放するだろうと思っていましたが、今のところありません。協定の適用を見守っていく必要があります。すでに、日本とヨーロッパの業者は年に2回会って、互いの理解を深めています」と、この件を担当する外交官は打ち明ける。そして、同氏はさらなる非関税障壁があるを指摘する。車両の故障時は過剰な補償が要求されるため、ヨーロッパの業者は現地の業者と高額な契約を結ばなければならないという。

皮革業も

長年、日本の皮革業は非常に特異な制度下にあった。仏教で「不浄」とされる仕事を担い、排斥されてきた歴史を持つ労働者階級の部落民。彼らに報酬を与える手段のひとつが、皮革業であった。彼らに職を確保するため、国は特に靴用の革の輸入に関税割当制を課した。そして各ブランドにその割当の一部が充てられた。人気のあるブランドは他のブランドからその割当部分を借りて認可量を増やしていた。日欧間の協定が施行されると、この仕組みは廃止になる。特に高級品分野には朗報だ。「この決定を歓迎します。EBC(欧州ビジネス協会)とコルベール委員会を通じて、長い間、靴の関税割当制の廃止を訴えてきました。この仕組みはまさに輸入障壁でした。使用実態に基づいて割当を定期的に見直すこともないので、柔軟性がありませんでしたし、大手ブランドが輸入する靴は、高級路線に登場しない日本の メーカーとは競合しないので、格差を広げる仕組みでした」と業界筋は話す。さらに、「靴の関税割当制がなくなり、アルコール類の従価税が廃止され、化粧品輸入が簡素化されれば、現時点での高級品の関税・非関税障壁はなくなります。懸案事項は別の分野、主に知的所有権の問題に移りますね」と嬉しそうに語った。

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雑誌「フランス・ジャポン・エコー」

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