現実主義者からの教訓

日本では不動産が好調だ。しかしCLSA不動産部門のアナリスト、ウィリアム・モンゴメリー氏は、中期的に注意が必要と警告する。

特集  |   | Régis Arnaud

進行中のプロジェクトに関する楽観的な空気には同感ですか?
私は現実主義者だと思います。良い面と悪い面があります。2008年の金融危機以来、支出を控えていた消費者が、4、5 年前からまたマンションやセカンドハウス、土地などを購入し始めました。2014 年頃には、消費税引き上げの前に人々が投資に駆け込みました。その後変化があったものの、低金利政策、所得のわずかな上昇、株価の上昇による「資産効果」が組み合わさり、とりわけ高級マンションの購入に人々の意欲がそそられました。マンションの平均購入価格は1989年以来、未曽有の水準となっています。需要の他の要因としては、相続税の基礎控除額が引き下げられたことが挙げられます。不動産の相続税を課される世帯数は50%以上に上昇しました。こうした税金を避けるための最も容易な方法は、同じ敷地の一角に住みながら、不動産の一部を個人や法人に賃貸しすることです。もう一つの朗報は、もちろん観光です。2011年の震災直後、観光客がいなくなった時期はもう遠い昔です。観光客数の急激な増加は、大阪や銀座、表参道といった東京の商業地域、そしてホテル業界の状況を変えました。そのため新しいホテルが建設され、地価の上昇につながりました。観光は日本にとって、移民に頼らず人口問題を解決するのに最も便利な方法です。しかしながら、人口の減少は甚大な問題です。東京の人口は年に1.2%上昇し続けていますが、5年後には横ばいとなるでしょう。変化がない限り問題が生まれる可能性があります。

注目している地区はどこですか?
渋谷には非常に関心を持っています。渋谷はシリコンバレーとブレードランナーが融合したような町です。若者を中心に、渋谷で暮らし、仕事をしたい人が増えています。同地区の建物の質は、急速に改善しています。

現実問題から目を背けていると言えるでしょうか?
2016年と2017年は、国内需要が予想を上回りました。さまざまな要因によりますが、とりわけ企業の業績が好調だったことで、オフィスの需要が高まりました。日本では、耐震性に優れ、より実用性のある(建物内に保育所があるなど)新しい建物の人気が高いと見越した借入金利の低いデベロッパーが、皆同時に新しいビルを建設し始めています。東京には現在、6,500万平方メートルのオフィス面積がありますが、2022年までに1,600 ~1,700万平方メートルが新たに建設される予定で、解体面積を差し引くと800 万平方メートルの増加となります。つまり12.3%の増加です。市場はそれらをさばけるでしょうか?ソフトウェアや製薬系の企業が都内に進出してくるとか、2009 年から2012年に上海あるいはシンガ ポールに移った外資系子会社が日本に戻ってくるなどという人が多いです。しかし私は慎重派で、供給過多になると思います。なぜ12%の増加の後、2022年以降も新たなビルを建設し続けるのでしょうか?私はその必要性を感じませんし、 ペースは鈍るとみています。近くカジノ企業の参入が見込まれますが、それは全体から見れば小さなプロジェクトです。それはともかく、マンション部門は正気に返っています。1997年から2007年にかけて、9万戸の新築住宅が東京の市場に出ました。現在は35,000戸です。一方、オフィス部門では合理性がまだ見られません。

地方に希望はありますか?
今日、大阪は観光が好調のおかげで急成長しています。福岡は、中国や韓国との貿易で人気です。名古屋と大阪では商業ビルが急激には増えていないため、需要と供給のバランスが東京より優れています。仙台、富山、広島などの都市では不動産投資は減退しています。しかし、いくつかのデベロッパーは活発になっており、例えばタカラレーベンは控えめなサイズの居住用建物の開発を戦略とし、郊外や地方で一戸3,800万円で販売を行っています。これは、 平均年収が340万円の普通の日本人サラリーマン家庭にとって、東京で、特に平均価格が5,800万円に達している山の手圏内ではマンションを購入できなくても、手の届く額です。

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