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Print競業避止条項(clause de non-concurrence)の有効性判定の時期

税制・法律講座 |18 10月 2011

フランス法上、競業避止条項の有効性の条件は判例によって確立された。特に、破毀院(最高裁判所に相当)の2002年7月10日の複数の判決において示された次の有効性の条件をすべて満たさなければならないものとされている。①競業避止条項が企業の正当な利益の保護に不可欠であること、②期間及び地理的に限定されていること、③対象となる従業員の雇用の特徴を考慮していること、及び④対象従業員に対し対価を支払うこと(2002年の判例により追加された)の4条件である。これらの有効性の条件をすべて満たさない場合には、原則として当該競業避止条項は無効となり、従業員が当該無効な競業避止義務を遵守した期間に相当する損害の賠償を請求することができる。

 

競業避止条項は、雇用契約の締結時または契約履行中の修正契約により規定することができ、契約に定めがない場合には、労働協約[1]に競業避止義務に関する規定があれば当該労働協約の規定が適用される(但し、雇用契約の締結の際に従業員に予め労働協約の規定が知らされていることが必要となる)。

 

破毀院労働部の最近の判決で、競業避止条項の有効性の判定の時期について明確にされた。本件では、葬儀屋の従業員が競業避止条項の無効を訴えて会社を相手取って裁判を提起した。当該従業員の雇用契約には、雇用主のイニシアチブで雇用契約の解除が行われた場合にのみ競業避止義務に対する対価の支払いを認める旨の条項が置かれていた。労働裁判所(労働裁判の第一審裁判所)は、同条項が無効であると判断した。当該判決を受けて、従業員は同企業を退職し、自ら葬儀屋の事業を開始した。

 

これに対し企業はディジョン控訴院に上訴し、控訴院は従業員による競業避止条項の無効の請求を却下し、競合する事業の差止めを罰金強制付で命じ、さらに契約上の違約金の支払いを命じた。その際控訴院は、雇用契約において労働協約に準拠することが明示的に規定されていることから、雇用契約上の無効な競業避止条項に代わり、修正された労働協約の競業避止義務に関する規定の内容が適用されるものと判断した。また、従業員は適用される労働協約の内容を知らされており、同労働協約の内容が雇用契約に規定された条件よりもより従業員にとって有利な内容であったことを認めた。

 

従業員は同控訴院判決の破棄を求めて破毀院に上告を行った。破毀院労働部は、2011年9月28日の判決においてディジョン控訴院の上記判決を破棄し、競業避止条項の有効性は、当該条項の締結の時点において評価しなければならないものとし、事後に発効した労働協約の規定をもって無効な契約上の条項に置き換えることはできないものと示した。

 

したがって、雇用契約の作成の際には競業避止条項の文言に十分な注意を払うことが必要である。単に労働協約の規定に準拠するものとせず、競業避止条項が判例の有効性の条件を満たすよう、必要な場合には修正契約を締結することが望ましい。

 

[1] 労働協約:使用者の代表機関と労働者の代表的労働組合組織との間で締結される産業部門別の合意。雇用契約の規定が労働協約に矛盾する場合には、労働者に有利な規定が適用される

 

 

発行:2011年10月

 

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