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アベノミクスの構造改革とその行先?

連載・特集  | 

「アベノミクス」については多くの報道がなされているが、その中身については、正確な、かつ最新の情報に触れる機会はあまり多くない。このたび、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)の中島厚志理事長の協力により、商工会議所メンバーは、この日本再建大計画の第3の矢の見直しについて余すところなく知る機会となった。  

安倍政権の戦略の第3の矢のスローガンは、「あらゆる未活用の可能性を総動員する」というものだ。このスローガンは最近見直しがなされたが、その見直しの一つの特徴は、2020年のオリンピックの準備に関する諸目標が組み込まれたということである。中心となる目標は、この「失われた10年」において日本が陥ったデフレという負のスパイラルを断ち切ることだ。前政権の政策とは一線を画して安倍政権が選んだ方法とは、とりわけ工業・農業部門の生産性の向上によって、供給を増強することである。

検討されている大規模施策は、きわめて多岐にわたる。なかでも最重要なのが、税制、人的資源、農業、日本経済の門戸開放、そして電気供給システムの改革などだ。  
企業活動と日本経済を活性化するため、政府はここ数年の間に、現在35%である法人税を30%へ引き下げることを検討している。加えて政府は、非常に動きの少ない日本の法人設立・解散率を倍増させようと考えている。追求すべき目標は、生産性と雇用を増大させるため、利益率の高い企業を優遇し、そうでない企業を抑圧することだ。これは、企業が投資よりも貯蓄を好む消極的な曲面において、「アベノミクス」にとってはリスクのある賭けとなる。しかし、企業活動の成長により経済を決定的に活性化させるための戦略として、それは核心的な役割を果たすものだ。

日本は、先進国の中で、女性の社会進出度が最も低い国の一つである。その主な理由として、女性の60%が、第一子出産後に労働市場を去り、10年後にならないと復帰しないこと、また復帰したとしても短期間の代行職員のポストしか見つからないことである。RIETIの計算では、仮に30歳から35歳までの日本人女性の雇用率がフランスの水準にまで(現在の65%から85%へ)向上した場合、新たに300万人の女性が労働市場に参加することとなり、それにより国内総生産は2%上昇する。これは、現在の女性1人当たり出産率が1.4人であり、出生率の低下が日本経済にとってやはり大きなリスクとなっていることを考えても、大きな潜在力である。政府の目標は、2030年には女性当たりの出産率を2.07人に安定化させ、2060年頃には人口の減少を1億人でストップさせることである。中島厚志氏によれば、この出産率向上を、安倍晋三が狙いとする女性の社会参加率5%向上と併せて実現するためには、奨励策の数を増やさなくてはならない。

日本のグローバリゼーション参加度は、世界でも最も低い部類に入る。輸出の60%は、100の企業により独占されているからだ。一方、輸出企業は利益と雇用の増加の点では最も活発な企業に数えられる。開拓すべき可能性は残されているのだ。交渉中の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、下請けの中小企業に至るまで、日本経済のグローバル化に直接貢献すると目されている。

日本の農産物は値段が高く、家計に占める食料品のウェイトの高さが経済成長に歯止めをかけている。もしTPP発効とともに農産物の関税が撤廃された場合、家計における食費の割合は5から10パーセント減少するだろう。農産物市場の自由化に対して競争力を維持するためには、生産性を向上させねばならない。求められる改革は、耕地面積の拡大(平均2ヘクタールから数十ヘクタールへ)、農業就業人口の若返り(現在の平均年齢は68歳)、そして、改革に対しきわめて及び腰である農業協同組合、JA-全中の指導・監督権限を廃止することである。中島厚志氏の試算では、日本の農業はコメの生産量を倍増できるポテンシャルをもっており、それにより輸出高は最大で1.5兆円に達するという。

最近の原発の運転停止にともない、日本は致命的に、エネルギーを輸入に頼るようになった。燃料の96%は海外から、とりわけ地政学的に危険度の高い国々から輸入されている。エネルギーバランスの再均衡化に向けて、政府は戦略の中で三つの対策の柱を打ち出した。東日本と西日本の電力システム間においてより信頼性の高い送配電を実現するため、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が設立される予定である。大手電力会社による地域的独占は廃止され、新企業が市場参入することになる。やっと、言わばフランス並みに、発電事業と送配電事業とが分離されることになるわけだ。
中島厚志氏の考えでは、このプロセスには時間がかかると見られる。というのも、これは敗戦直後の改革以来の、もっとも野心的かつ根本的な電力システム改革だからだ。この改革により、極度に緊迫した需給状況が緩和されるとともに、電力価格の低下が期待できる。

翻訳:有限会社プリモ

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