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エアバス、A380初号機を全日空に引き渡し

エアバス、A380初号機を全日空に引き渡し

「フェリーフライト」-これは航空業界における、航空機の引き渡しのための飛行を指す技術用語である。2019年3月21日にトゥールーズ-成田間で行われたフライトもその一つだ。全日空により注文された3機のエアバスA380の1機目が日本側の操縦(当該航空機の所有権はフランスからの出発時に全日空に移った)で到着したのである。当該機は、他の2機と同様、ホノルル向けに就航する。全日空の片野坂真哉代表取締役社長および同社取締役、エアバス・ジャパンのステファン・ジヌー代表取締役社長、そして同機の最終調整にやってきた技術者らがこの特別なフライトの乗客となった。引き渡しは、欧州のコングロマリットであるエアバスがこの象徴的な大型旅客機の生産の中止を発表した数日後に行われた。「おそらく全日空がA380の最後の新規顧客となる」と同セクターのある業者はいう。

なぜA380なのか。なぜ今、ホノルル線に就航するのか。生産中止とはいえ、A380は全日空にとって過去の機体などではない。むしろ、全日空が2011年以降に発注した100機ほどのエアバスの機体のなかでも花形である。大型で快適、静音性が高く安定感がある。乗客が不満を感じる部分はまったくない。「はっきり言いましょう。A380は彼らのお気に入りの機体なのです」と欧州の複数の航空設備メーカーのフランス人代表者はいう。こうした理由で、全日空のハワイ行きのプロモーションキャンペーンでA380が前面に押し出されているのである。この3機は、1機あたり520席に設定され、日本人の間で人気の高いこの路線の1日の乗客数を実質2倍にすることができる。座席は広く、ベッドとして利用することもできる(スカイカウチ)。ハワイ行き路線で需要が高い日本航空との競争において重要な切り札である。全日空はまた、地上での努力も計画している。というのは、ホノルル空港に専用プライベートビジネスラウンジ(他のスターアライアンス加盟会社と共用でないもの)を開設したのである。またA380は他の路線にも再展開できるという利点もある。3機の外壁に描かれているハワイのウミガメ「Flying Honuの図柄を消すだけでよい。5月24日からホノルルに向けて運航を開始する予定である。

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