リベンジならず

またしても「パリスの審判」はアメリカワインに軍配

1976年、イギリスのワイン輸入業者が、「パリスの審判」を主催した。 高級なフランスワインとカリフォルニアワインのブラインド・テイスティング大会(商品名を見せないテイスティング)である。参加した誰もが、アメリカ人でさえも、新世界のワインが負けるであろうと予想した。ところが、驚きと茫然自失が会場を覆った。審査員たちはカリフォルニア、ナパ・ヴァレーの「スタッグス・リープ」に軍配を上げたのだ!この勝利のニュースは世界中をかけめぐり、世界のワイン市場において、ボルドー ワインをその王座から引きずり落とすこととなった。「1976年以来、電話が鳴りやみません。フランスでのこの対決についてはあまり話されていないというのに、不思議です」と、スタッグス・リープの幸運な創設者ウォーレン・ウィニアスキー氏は冗談めかす。88歳のウィニアスキー氏は、5月に行われた新たな「パリスの審判」のため東京を訪れていた。審判員には、アストランスやルカ・カルトンのソムリエ、アレクサンドル・ジャン氏や、東京のワインバー・レストラン「モンサンミッシェル」のオーナー兼ワイン生産者・ソムリエのイヴ・ラングレー氏らが名を連ねた。このふたりを中心に、日本のワインの最大の輸入者で収集家の中川一三氏のような、著名なワイン愛好家たちの姿も。1位はフリーマーク・アビー。1976年にも登場したカリフォルニアワインだ…フランスよ、なにをしている?

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