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Collier Chaumet

ショーメな日々を日本で

嵌め込み細工
日本がショーメの歴史に嵌め込まれた。この夏、三菱一号館美術館で開催されたフレンチジュエラーの歴史に残る展覧会を回想しよう。美術工芸品、デッサン、絵画、ティアラ、そして、本展のために制作されたルビーやロードライトガーネットとオニキスからなる桜の枝を模ったアクセサリーなど、18世紀から現代まで約300点のメゾン・ショーメ作品が展覧された。ルーヴル美術館名誉館長アンリ・ロワレット氏と、三菱一号館美術館館長、高橋明也氏監修の下、ベタック事務所の設計デザインにより宝石たちが見事に演出された。
18世紀末、ショーメの初代工房長マリ=エティエンヌ・ニトは、フランス革命期に王妃マリー=アントワネットの日本漆器コレクションを見て驚嘆した。しかし、ショーメと日本の真の出会いはその半世紀後。2世紀の鎖国を経て、日本が世界に開
国した時である。1858年、フランスが日本と外交関係を結ぶと、フランスの政治指導者たちは「高級宝飾品を身に着けるという西洋のスタイルを積極的に示しました」と高橋明也氏は説明する。
ジャポニスム
同時期、ジャポニスムがヨーロッパ全土に浸透し、西洋美術に決定的な影響を与えていた。とりわけショーメへの影響は大きかった。1900年頃、当時の工房長ジョゼフ・ショーメは、雨と雷鳴の神である雷神をモチーフにした驚くべきブローチをデザインしている。日本の神話から飛び出した雷神が雲にのり、和傘を持つ着物姿の若い日本女性と共に描かれている。
その後も交流は続く。1921年、昭和天皇がヴァンドーム広場のショーメのブティックを訪問された。20世紀、70年代末に日本に営業拠点ができるまで、日本で売られる商品はフランスから送られていた。今年6月1日、ショーメは銀座店を完全リニューアルオープンした。「日本のお客様はたいへん高い意識をもってお買い物をされます。他のどの支店よりも東京店の接客テーブルの数が多いのです。お客様がゆっくり時間をかけていただけるよう配慮しています」とショーメの従業員は説明する。
「ショーメのさりげないスタイルに、日本のお客様が再び支持してくれています」と、展覧会のために東京を訪れたショーメ最高経営責任者、ジャン・マルク=マンスヴェルト氏は語る。これまで多くの工房長たちが、田園をテーマに自然を愛でてきた。それがまた日本人の心の琴線に触れる。日本人はとりわけ昆虫が好きである。愛好されるフランス文学の中でも、日本人はとりわけ昆虫学者ジャック=アンリ・ファーブルが好きだ。「どのジュエラーも自然をモチーフにしています。しかし、ショーメが描く虫には、コガネムシもいますし、アリもいます。トンボやスカラベなども・・・。」ジャン・マルク=マンスヴェルト氏は挙げていく。そして、このタコのネックレス。浮世絵にもよく描かれる情熱と所有欲を表現するタコ。これほど日本的なものがあるだろうか?


ブレッツカフェ拡大継続
ブレッツカフェの暑い夏。グループは、東京の恵比寿店を再オープンさせ、パリのモントルグイユ通りにも店舗をオープン、バティニョル地区にさらに一店舗を準備中。サン・マロではクレープ職人学校のオープンも待たれる。その調子!


DS7クロスバックが日本上陸
DS-このイニシャルが、早くも日本で認知され始めている。日本で既に名の知られたシトロエンだが、2016年、エレガントでアットホームな空間を演出する新しいショールーム『LA MAISON CI­TROËN』をオープンさせた。C3の成功を受け、この夏、グループはDS 7 クロスバックの販売を開始。フランス的なラグジュアリー感と快適さを備えるファミリー向けプレミアムSUVモデルである。特別仕様(特にライト)、最先端の音響装置、運転のしやすさ…。PSAグループ最新のイノベーションテクノロジーを搭載し、すべての期待を担う。


アルピーヌ・ルノー、大復活
A110、アルピーヌの新型スポーツカーが日本のコースを走る。日本でも、ラリーファンにはよく知られる車だ。伝説的なベルリネットモデルに現代の技術が組み込まれている。しかし、酔いしれるようなエンジン音は昔と変わらない。60~90年代の30年間、数百台のアルピーヌがフランスから日本に輸入された。そのうちまだ残る180台。A110による再スタートを前にいかに?


ピエール・エルメが20周年
ピエール・エルメ氏が東京のホテルニューオータニに第一号店をオープンさせたのは、1998年9月。20年後、地球規模で有名なパティシエとして業界革命を果たした。確かな味覚に恵まれて、 パティスリーにラグジュアリー感とモード感を取り入れ、ブランド名でもあるその名前は、今や世界で最も有名なフランス人の名の一つになっている。世界的なビジネス展開(12ヶ国に50店舗)にも関わらず、味のクオリティーは損なわれないし、ミスも犯さない。むしろその逆だ。新しい店を出すごとに、益々強固にブランドの基礎を守っているようだ。ハッピーバースデー!


ミシュランとカムソの合併

ミシュランがカナダ企業カムソを買収した。「オフロード」乗用車以外の車両機械(ショベルカーやスノーモービル、建設用機械など)におけるグローバル・ リーダーの地位獲得を目指す。「1982年、カムソはオフロード車両の考案、製造、ソリューション販売を開始し、現在売上高10億ドルにのぼります。農業機械やスノーモービル用のゴムクローラー、産業運搬機械用のソリッドタイヤおよびバイアスタイヤの分野で市場を牽引して、小型重機用クローラー・タイヤソリューションでは世界トップ3企業のひとつです」。ミシュランのプレスリリースは、合併をこう発表している。カムソは、現在成長中のゴムクローラー市場の世界的リー ダー。ミシュランのライバル企業ブリジストンは、すでにこの製品の卸しを行っている。ミシュランもこの買収で、同市場に参入する。

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