新製品

Votre chauffeur est personne

運転士は人間?

JRが無人運転による列車運行の可能性を模索している。世界最大の鉄道事業者であるJRも、他の業界と同様に従業員の高齢化に悩まされているからだ。従業員の4分の1以上が既に55歳を超えており、定年退職も近い。ところがこれに続く45~55歳世代は人手不足だ。そんな状況に対処するため、JRグループは運転部門を中心とする新たな技術的ソリューションを模索している。2027年に東京ー名古屋間を結ぶリニア中央新幹線は自動無人運転となる見込みだ。また専用線路を走る東京中心部の山手線や東北新幹線などについても、優先的に自動運転化が検討されているという。


「シャープ」な人々

かつてシャープは日本の誇る高い技術レベルを体現する 存在だった。その技術力が再び同社の未来を切り拓くのだろ うか? 台湾の鴻海グループによるシャープ買収を受け現在同 社を率いる戴正呉社長は、冷蔵庫を生産する大阪八尾工場の閉鎖を発表した。冷蔵庫は採算性のある部門だったが、刷新を図る同グループの足枷となっていた。グループが目指すのは第二のアップルだ。液晶分野を始めとするグループ主力製品に注力し、同社を高品質の代名詞たる本物の「ブランド」に押し上げることが目標だ。中華系資本によるシャープの買収は、日本人にはある種の屈辱と受け止められた。だが戴正呉社長がこの賭けに勝てば、おそらくこれに追随する者も現われ、日本の製造業は(ようやく)大きな変革を迎えることになるだろう。


震え

京都大学の医療チームが、世界で初めて人工多能性幹細胞(いわゆるIPS細胞)を用いたパーキンソン病の治療に取り組む。これは健常者の細胞に由来するIPS細胞から運動制御に関与する神経伝達物質であるドパミン産生ニューロンを作製するというもの。治験に参加するのは50~69歳の患者7名だ。この治療方法はサルを用いて2年間にわたり試験され、有望な結果が得られている。今日、パーキンソン病に苦しむ患者の数は世界で1千万人で、日本国内には16万人の患者がいる。 ヒトES細胞(胚性幹細胞)とは異なり、IPS細胞の使用は倫理上の問題に抵触するものではない。


アルツハイマーのことを忘れる日

アルツハイマーに新たな敵が現われた。不倶戴天の敵?いや、そうなるか どうかはまだわからない。日本の大手製薬会社エーザイと米国のパートナー 企業バイオジェンは、アルツハイマー病の進行を30%抑制する治療薬の試験 結果を今回初めて発表した。被験者数が極めて少なく(856名)、また脳機能低下の新たな測定方法を用いて実施されたこの試験結果を、学術界は一定の 留保つきではあるが歓迎している。「私の家族のアルツハイマー病も、進行を30%抑えられればいいなと思います。慌てず騒がず、結果を前向きに捉えたいですね」と述べるのは、国際会議の場で今回の試験結果を発表した米国アルツハイマー病協会の最高科学責任者マリア・カリーヨ博士。アルツハイマー病に罹患する人数は、毎年5千万人にも達する。

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