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給与クライシス

給与クライシス

日本で相変わらず繰り返される給与問題。ブルームバーグの調査は、今年2018年の給与は1%の上昇と予想する。しかし経済協力開発機構(OECD)によれば、G7の国の中で日本は唯一、2008年のリーマンショック以降2016年まで給与が「減少」した国(正確には3%減)である。この間、フランスの給与は13.7%、ドイツと米国では20%近く上昇した。もちろん日本政府はこの問題を認識しており企業利益の給与への反映を推進しているが、ここ数年44%で頭打ちである。


食事について

OECDの調査によれば、フランス人が食事にかける時間は、評判通り加盟国の中で最も長く、女性が130分、男性が133分である。日本人も男性が104分、女性が117分で意外と長い。最下位のイギリス人、米国人の飲食にかける時間はたったの60分である・・・。


移民の国・・・期限付き

公言こそしていないが、日本は移民政策を継続している。2012年から2017年の間で移民労働者は2倍となり、60万人増えた。彼らは増加労働者数全体の40% 、増加常勤雇用者数の20%を占める。
「益々多くの中小企業が、外国人労働者無くしては成り立たなくなっています。交付数が増えているビザのカテゴリーを見ると、勿論学生ビザと研修生ビザが最も多く、このビザを持つ労働者は資格をほとんど持っていないので、給与も低いのです」。
ビー・エヌ・ピー・パリバ証券のエコノミスト河野龍太郎氏は最近の著書で述べている。外国人労働者が国の経済活動に無くてはならないため、日本政府は研修生ビザを3年から5年に延長したばかりである。5年ビザ更新を迅速に行わなければならいだろうが、日本の永住権資格につながる10年ビザは発行しないだろう。一方で日本は、高いスキルを持つ外国人労働者を惹きつけることができていない。特に情報処理分野での不足が顕著だ。他のアジア圏の大都市でも、日本企業の給与に匹敵する条件が提示され、競争が一段と激化している。


メダリスト

日本は、平昌冬季オリンピックで見事な成績を残し11個のメダルを獲得した。ちなみにフランスのメダル獲得数は14個、米国は17個だった。


暗雲

野村証券グループが行った最近の調査によると、日本と韓国は、「人口問題」という同じ問題に直面している。世界で最も出生率の低い国の一つである韓国では、女性一人あたりが産む子供の数は1.05。日本の1.44よりさらに低い。昨年の韓国の出生数はさらに12%低下した。日本の人口減少は既に始まっているが、韓国の人口は2034年までは減少しない。不可解なことだが、人口問題にも関わらず、韓国は現在いわゆる人口の「スイートスポット」にある。1歳から14歳の年少人口は減少しているが、就業人口は増加しているのだ。65歳以上の高齢者人口は停滞している。「Statistics Korea(スタティスティクス コリア)」によれば、韓国の就業人口は今年以降減少し始めるという。


しっかり武装された国

銃殺事件が多発する米国では、近年、銃に関する議論が高まっている。同国の銃による死者は年間3万3000人に及ぶ。フランスでは年平均1800人。一方、世界で最初の銃禁止国日本の銃による死者は2016年5人、直近の数字として2017年の第一四半期で2人であった。


現金の話をしよう

バーチャル支払(=キャッシュレス支払:物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態)において日本は遅れている。4月末に出された経済産業省の報告書『キャッシュレス・ビジョン』によると、日本におけるキャッシュレス支払比率は18.4%。先進国の中で、日本より低いのは唯一ドイツだけである(14.9%)。この分野で先をゆく韓国は、なんと89.1%と高い。 当報告書によれば、韓国を震源とした1997年のアジア通貨危機をきっかけに、キャッシュレス推進政策が始まった。韓国のスターバックスでは、現金を受け付けない店舗がある。中国では、オンラインアプリ決済WECHAT(ウィーチャット)普及のおかげで、キャッシュレス決済比率は60%に 上昇した。日本で、このキャッシュレス決済をどう普及させるか?報告書のトーンは激しい。このまま現金支払に甘んじていれば、日本は世界から孤立してしまう。キャッシュレス支払は脱税防止や、消費の刺激、生産性向上と現金支払に必要なインフラコスト削減に寄与すると言われている。一方で、税金の上昇というリスクが日本を脅かす。経済産業省の掲げる目標値は控え目だ。2025年開催の大阪・関西万博に向けて、キャッシュレス決済比率40%(現在のフランスにおける比率)達成を目指す。


いい年の取り方

日本人の健康寿命は延び続けている。厚生労働省によれば、2013年から2106年の間にさらに1年延びた。日本人が医療的ケア無しに生活できる平均年齢は男性が72歳、女性は75歳。男性は寿命の最後の9年間ケアが必要で、女性は12年間必要だという。現在60歳代の日本人の健康寿命は81歳以上と言われており驚きだ。厚生労働省によると、この長寿は日本人の食生活や体力づくりへの関心の高さによるものだという。フランス人も堅牢である。現在60歳代のフランス人の平均寿命は80歳である。

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