良港に向かって

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HAROPA(アロパ)、日本の海運企業が今後覚えておくべき名前

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フランス北部の港町ル・アーブルをまだ訪れたことのない日本人にとって、なんという朗報。ル・アーブルの方から日本に来てくれる。2012年に設立されたル・アーブル、ルーアン、パリの3港によるセーヌ河複合港湾アロパのエルベ・マルテル最高経営責任者が3月中旬東京を訪れた。このフランス第一の港が、フランス主軸運輸(海運、河川運輸、陸運、鉄道運輸)大改造の最中にあって、絶妙なタイミングの訪問だった。ほんの1年前までル・アーブル市長だったエドワード・フィリップ現フランス首相が、当工事の進行を注視している。欧州第5の港ル・アーブルが、目下誰もが認める欧州一の港ロッテルダムに対抗できるようになるのが目標だ。しかし、貿易の鍵となるのはまずはアジアである。「我々にとって日本は、中国に次ぐ第2の市場です。自動車や、その他備品を積んだ船舶が入港し、食品、飲料品、化学製品を積んでまた出港していきます」とエルベ・マルテル氏は本誌に語った。マルテル氏によれば、海運業界は2008年のリーマンショックでがらりと変わったという。「世界経済が停滞し、海運会社はコスト削減のため、より大型の船を装備するようになりました。その結果、我々N業界は大型化競争と過剰設備を被り、倒産や合併が相次いでいます」。この苛烈な水運業界において、アロパはライバルよりも迅速な総合的物流回廊の河港となることを約束する。「2008年以前は、速さが勝負でした。しかし今、船舶は“減速運航”を取り入れ、以前ほど速くありません。そのかわり港での迅速性がより求められています」。と、マルテル氏は説明する。今現在、フランス側によると、東京を出発したコンテナがアロパに到着するまでかかる日数は32日。ちなみにロッテルダムまでは28日、 アントワープまでは40日でかかる。

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