再び空へ?

[Translate to Japonais:] Au ciel, du nouveau ?

ニュースペースに投資する日本企業は一握り

分散する業界

ニュースペース(新しい宇宙産業):地球上の起業家にとって新しいフロンティア、宇宙はもはや巨大グループ企業だけのものではない。パイオニアたちの手に戻った。特に日本企業のもとに。政府がその重要性を理解し、2018年3月、5年間分の関連施策予算として1000億円を計上した。比較的控えめな額とは言え、国や地方、官民多くのイニシアチブを巻き込み、関連分野を活気づけることになるだろう。

天穹の下、日本は強みと弱点もろともに前進している。強み:日本における宇宙研究は50年に及び、勿論多岐にわたり、学術界はまだ纏まってはいないものの、その動きは前例がないほど活発になっている。日本の大学は星を見ている。2003年から2017年の間、大学機関が48個の衛星を開発、打ち上げた。地方自治体もその一翼を担う。宇宙は今や、ローカルな話題なのだ!複数の地方自治体が当分野に投資しており、未来のハブになる夢を描く。例えば、福井県(中部地方)は小型衛星を、北海道は宇宙空間データ活用衛星を打ち上げた。これら新規参入者は、ロボット工学、材料、人工知能、エレクトロニクスなど関連分野に裾野を広げる、堅調な日本の産業構造に支えられている。しかし日本にも弱点はある。中でも最大の弱点は、よく言われるようにデータ活用がスムーズでないこと。データは新しい宇宙探査の原動力である。

しかし日本は依然として「ハードウェアの国でありソフトウェアの国ではないですね」と某フランス企業人は言う。「若い日本人はまだ起業意識が薄く、この分野を牛耳る巨大グループ企業に惹かれています」。宇宙分野に詳しいヨーロッパ外交官はこう付け加える。

 

AIRBUSVC(エアバスベンチャーキャピタル)

可能性は其処ここにある。ヨーロッパ航空機メーカーのベンチャーキャピタルファンドであるAIRBUSVC(エアバスベンチャーキャピタル)の参入がその証拠だ。当社は東京にアジア支店を置いた。「日本はイノベーション大国で、優れた技術、しっかりした法制度、そして小さいながらも質の高いベンチャーキャピタルの環境があります」。エアバスベンチャーキャピタル日本支店担当LEWISPINAULT(ルイス・ピノー)氏は、立地選択の理由をこう説明する。エアバスグループのアプローチは、この点に関して産業的だ。企業家たちに、評価されたビジネスは転売できると期待させるのではなく、見込みのある「若い芽」が協力しあって仕事をし、成長できる環境をつくることを目指す。ファンドはその投資方針において完全に独立しているが、当然エアバスが第一の顧客だ。なぜヨーロッパ航空機メーカーがそのような努力をするのか?なぜなら、航空宇宙産業は光速で変貌しているからである。競争相手は、もはやBOEING(ボーイング)やBOMBARDIER(ボンバルディア)など昔ながらの顔ぶれではない。ライバルは、AMAZON(アマゾン)やSPACEX(スペースX:スペース・エクスプロレーション・テクノロジー)なのだ。ハードウェア業界だけでなくソフトウェア業界にもライバルがいるのである。選ばれたベンチャー企業にとって(エアバスはこれまで4社の日本企業を含む28社に投資している)、エアバスのような相手との白紙契約署名は非常に貴重だ。なぜなら、大企業グループは、その独自の業界経験に基づき、詳細な見通しを検討した上でゴーサインを出すからだ。今日の宇宙分野では、よい種、悪い種を区別するのは非常に難しい。

 

 

多数への呼びかけ、残るのは数社

冷たいシャワーには注意して、と古参たちは警告する。「今私たちが経験していることが、進化なのか、革新なのか・・・、あるいはバブルにすぎないのか教えてくれる人は誰もいないのです」と高松聖司氏は警告する。ARIANESPACEJAPAN(アリアンスペースジャパン)の聡明な東京事務所代表は、1992年の入社以来プロジェクトが誕生し、死んでいくのをいくつも見てきた。「今、宇宙がもてはやされ、『ニュースペース』という言葉が巷を駆け回っています。小型衛星の打上げがかなり安価になったので益々人気です。しかし、打上げが安くなれば、支払われる手数料も安くなります。利益を上げるためには、たくさん打上げなければならないのですよ!今の業界の動きには注意が必要です。成功もあるでしょうが、多くの失望もあるでしょう」高松氏は警告する。一例を挙げよう。インターネット環境提供にあたり、従来の静止衛星に取って代わるとみなされる「衛星コンステレーション」が人気だ。ONEWEB(ワンウェブ)は、地球の低軌道に約700個の衛星設置を、スペースXは数千個の設置を予定している。しかし、それらが絶対必要なのかは定かでない。この賭けは、すでに90年代試みられた。そして失敗した。スペースXでもクラッシュは免れなかった。有名なELONMUSK(イーロン・マスク)氏の打上げロケットは、抑えられた製造コスト、ロケット全体または一部の回収や再利用で地球を驚愕させた。生産ペースを維持することでのみ継続できる、NASAの技術資金援助に頼らない運営方法。宇宙で落ちることは決してないのだ。

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