100周年、塵ひとつなし

アニエス・パニエ=リュナシェ

日仏関係はかつてないほど良好である。「この2国間関係はさらに良いものとなるだろう」と、在日フランス商工会議所主催の第1回日仏ビジネス サミット参加者は結論付けた。

協定

数々の)不満がフランス国内の通りのあちこちで爆発しているが、日本・EU経済連携協定はその対象ではない。「他の同種の協定とは対照的に、この日本・EU経済連携協定は欧州およびフランスで受け入れられています。なぜか?それは、我々が法を順守し、社会経済の発展を目指しているからです。我々には、喜ぶべき多くの理由があるのです」とLouis Schweitzer(ルイ・シュバイツァー)氏は満足する。ルノー・日産アライアンスの立役者であるシュバイツァー氏は、日本とフランスの結婚記念日の証人の一人である。2018年、日仏の外交交流は160周年を迎えた。そして、在日フランス商工会議所はその100周年を祝ったのである。この長きにわたる蜜月は何婚式になるのだろうか。ブロンズ婚式?金婚式?日本が開発し、エアバス製造に使われた新素材のカーボンファイバー婚式であろうか? 11月19日に日経ホールで開催された日仏ビジネスサミットは、その創立100周年記念の見せ場となった。「1918年、主に絹商人から成るフランス商人の一団が商工会議所を創立しました。彼らはその商工会議所が100周年を祝うなど夢にも思わなかったのではないかと思います」と在日フランス商工会議所Armel Cahierre
(アルメル・カイエール)会頭は語る。

フランスの経済・財務大臣付副大臣、Agnès Pannier-Runacher(アニエス・パニエ=リュナシェ)氏は日本におけるフランスのプレゼンスについて端的にまとめた。「7万人が600の企業で働いており、その収益の大半が日本に再投資されています」。「日本が失速ですか?」LVMHグループ社長Norbert Leuret (ノルベール・ルレ)氏は語気を強める。「2018年は我々にとって最高の1年でした。日本はグループ内では3位か4位かもしれませんが、多くのブランドにとって日本は1位から3位に入ります」。ルレ氏はまた、日本がひとつの市場であることに加えて、稀にみる情熱の学びの場であると念押しする。「1983年以降、私は日本人チームと仕事をしています。この国では、目的地を説明し、段階ごとに段取りすれば、また自分のチームに寄り添い、常に再検討し続ければ最高の結果を得られるのです」。


まだよくなる

友情には率直さも必要である。ルイ・シュバイツァー氏は、フランスと日本双方の課題を指摘する。「フランスは日本の粘り強さ、効率性、生産性からたくさん学べることがあります。私は4社の仏企業を日本企業に売却しましたが、どの例も日本の経営陣は成長に導きました。一方日本は、フランスの出産奨励政策と、フランス社会における女性の役割について学ぶことができるでしょう。また、フランスと日本でのコミュニケーションは英語で行われるため、学生は最低でも1年間留学する、また大学は外国人学生の受け入れを増やすべきです。この点においては、フランスでは改善が見られますが日本ではそうでもありません」とルノー・日産アライアンスの父である同氏は懸念する。他のトピックとして、2016年TICADの際、ダカールで安倍晋三首相がアフリカにおける日仏協力を呼びかけた件があるが、「思ったほど成果を上げていません」とルイ・シュバイツァー氏は評価する。「日仏の絆はこれからの100年でさらに深まるでしょう」とアニエス・パニエ=リュナシェ氏は確信する。

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