エア・リキードの新世紀

Le nouveau siècle d’Air Liquide

5,000万ユーロ、200名の研究者や専門家、8,000平方メートル。エア・リキードが開設した「東京イノベーションキャンパス」は、めまいを起こさせる存在だ。1907年の事業開始以来、日本におけるフランス産業の卓越性を支える柱のひとつである同社は、この施設により、未来に向けた精力的な取り組みを進めていくことになる。同グループの研究開発部長であるオリヴィエ・ルテシエ氏に話を聞いた。

どうして今、日本にキャンパスを?

キャンパスが東京にできて喜ばしく、誇りに思います。この投資額5,000万ユーロ、8,000平方メートルの施設で、200名の研究者や専門家が働くことになります。それにより、エア・リキードにとって重要な日本のエコシステムにおける私たちのプレゼンスを確かなものとしたいのです。日本の産業界の研究成果がより身近なものとなります。本日開設したキャンパスは、デラウェア(米国)、パリ、フランクフルト、上海にある4つの同様のキャンパスとネットワークを形成しています。それらのキャンパスが一体となり、私たちが掲げている社会的な課題に取り組みます。つまり、エネルギーシフト、健康、デジタルトランスフォーメーションといった課題です。強調したいのは「ネットワーク」状のキャンパスである点です。扱うプロジェクトの60%が複数のキャンパスにより行われます。それにより、グローバルな研究開発活動の世界規模でのアプローチが可能となり、重複が避けられるのと同時に、現地のクライアントのニーズも考慮できるのです。日本では、二つの巨大分野にフォーカスします。エレクトロニクス(特に半導体)と水素モビリティーです。特にパートナーのトヨタと協力して行われます。

 

研究センターではなく「キャンパス」とした理由は?

今日の研究開発は15年前とは異なります。私たちはオープンかつ協働的な存在でありたいのです。「キャンパス」であれば、産業パートナー、スタートアップ企業、大学を緩やかに結びつけることができます。科学者、マーケティング専門家、クライアントが隣り合い、私たちのプラットフォームを使うことで、クライアントに対するサービスが可能となるのです。

 

エレクトロニクスに関する取り組みについてお聞かせください。

エレクトロニクス生産の中心地は、米国とアジアです。そのため、私たちはその二つの地域に展開しています。この分野での取り組みを始めるようになったのは、中核事業(窒素、酸素、水素、アルゴンなどの産業ガスの供給および開発)を通じてであり、エレクトロニクス関連の備品製造者などのクライアントと関わるようになりました。例えば、半導体は層が積み重なって形成されますが、その製造工程は800段階にも分かれ、成膜とエッチングが繰り返されます。私たちが成膜とエッチングという二つの下部領域における業務を開始したのは1990年代の終わりのことで、半導体生産の向上を目的とした、各種方式を対象とするテストプラットフォームの開発によるものです。私たちの成果により、携帯電話のGPS機能が向上し、写真やビデオの機能も増えることになります。

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