イノベーターのことば

一方は日本インターネット業界の勝ち組「ぐるなび」の創設者、 滝久雄氏。他方は光学部門大手、コニカミノルタ再生の立役者、 松崎 正年氏。 二人の言葉に耳を傾けてみよう。

コニカとミノルタ、写真分野の二大老舗企業は2003年の統合を経て見事に再生を遂げました。成功の秘訣は?

統合の目的が明確に見えていたことですね。私たちは多機能プリンター部門のトップになることを目指していました。

 

写真部門からの脱却は難しかったですか?


写真フィルム市場は年々落ち込む一方でした。ばっさり切り捨ててしまうのか、それとも段階的に撤退するのか。判断を迫られた私たちが選択したのは、一気に撤退することでした。カメラ市場からの撤退は大きな困難を伴うものでしたが、デジタルカメラの到来が膨大なソフトウェア資源を要することも分かっていました。そこで当社はプリンター市場に集中しようと決めたのです。

 

他の多くの企業同様、御社も今後は機器製造よりサービス提供を重視しておられるとのこと。日本の企業にとってこうした転換が非常に難しい理由は?

日本企業のトップには情報テクノロジー分野に疎い人が多い…… 特に私の世代でね! デジタル世界に馴染めず、方向を見失っているんでしょう。当社は日本で製品開発を継続しますが、デジタル部門の事業展開は欧州に軸足を置くことになるでしょう。

1996年、日本のスタートアップの先駆けともいえる「ぐるなび」を設立されました。誕生の経緯は?

産業革命なくしてスタートアップは存在しません。蒸気機関がもたらした産業革命は周知のとおりですが、私たちは今、インターネットによる情報産業革命を迎えています。この時代、日常生活の一部はすさまじい勢いで変化していきます。リアルタイムの情報のコストは大幅に下がりましたが、この新しい時代に外食専門のメディアはありませんでした。私が立ち上げたのは、まさにこれだったのです。正確かつ信頼のおけるリアルタイム情報を提供可能なプラットフォームです。

 

新たなビジネスモデルを創出する日本の若者たちの能力をどう評価されますか?


5G時代が到来すると、通信速度が飛躍的に向上します。日本の通信インフラはこれを十分享受できるレベルにあります。日本のスタートアップは外国に比べるとまだ少ないですが、若い世代はこの新たな環境に適応していくはず。彼らは5Gを自由に操り、いずれはぐるなびのような新しい企業を生み出すでしょう。

 

イノベーション振興に政府が担う役割とは?


政府は情報の正確性を保証し、質の高い情報を提供する企業を支援すべきです。また通信コストに目を配ることや、最新のネットユーザー識別システムの導入なども望まれます。日本文化を保護することも国の役割ですね。自国文化を大切にするフランスの姿勢はさすがだと思います!

 

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