プジョーシトロエン、品質で勝負

Peugeot Citroën, place à la qualité

日本に向けて舵を切る。

発表会

去る3月20日、プジョーブランドCEOジャン=フィリップ・アンパラト氏は新型プジョー508の発表会でそのアピールポイントを熱弁したが、そこまで頑張る必要はなかったかもしれない。なぜなら万全の準備でこの場に臨んだ自動車業界のジャーナリストたちは、ライオンのエンブレムでお馴染みのプジョーブランド車をその隅々まで知り尽くしていたからだ。そんなわけで記者会見は専門家の議論の場と化し、自動運転車や電気自動車、公害、そして何よりも運転する喜びなど、議論は実に幅広いテーマに及ぶこととなった。

日本市場における曲がり角を乗り切ったプジョーシトロエンだが、数年前まで足踏みしているように見えていたのは事実。日本とドイツのメーカーが牛耳るこの高額市場において、少なくともシトロエンはどのようにそのポジションを確保するかに頭を悩ませていた。お洒落な学芸大学界隈にある瀟洒なオフィスで取材に応じたプジョーシトロエンジャポンのクリストフ・プレヴォ社長は「シトロエンはフォードと同じように撤退していたかもしれません」と語る。そして今、グループは苦境を脱した。「プジョーシトロエンの販売台数は4年間で倍増し1万6千台に達しています」と同氏。最も目覚ましい躍進を見せたのが、他でもないシトロエンブランドだろう。シトロエンはイノベーションを追求し続けるというそのブランドイメージを定着させた。「C3は当初予想の2倍も売れました」と、同社も喜びを隠せない。

 

再浮上

誰もが認めるところだが、ドイツメーカーは他国の市場と同じく日本の高級車市場で揺るぎない地位を確立している。あるフランス人自動車業界関係者も「日本でメルセデスとBMWはトヨタの高級車レクサスより売れています。脱帽ですね!」とその実力を認めるほかないようだ。業界団体JAIA(日本自動車輸入組合)によると、2018年にドイツは日本で22万台の自動車を売り上げたが、一方のフランス車はわずか2万台に過ぎない。

これらフランス車の中で最もよく売れているのがプジョーシトロエンだ。だがその販売姿勢は控え目で、メディアを通じて派手なキャンペーンを打つわけでもない。ひたすら「製品」それ自体の魅力を前面に押し出しながら、プジョーシトロエンはここ日本市場で粘り強くそのブランドイメージを築いてきた。「お客様の定着には必ず理由があります。現在、高品質というイメージの確立を目指しているのはそのためです」とプレヴォ氏は語る。

日本では販売コスト(各車両の精密な検査や輸送費)がかかるので、グループは販売台数の増加を目指すのではなく高級車という位置付けを選んだ。その大胆なデザインは、既に日本の街中でその存在感を発揮している。ディーラーにおける顧客対応にも力を入れる同社。「売らんかなではなく、お客様の声に耳を傾けなければならないのです」とプレヴォ氏は語る。その結果若い世代の顧客が増え(平均年齢は51歳から42歳へ)、女性の姿も目立つようになり、リピーターも増加している。4年前には顧客の17%に過ぎなかったリピーターの数は、現在50%近くに達しているという。

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