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日本の変わらぬ成績表

OECDは4月半ば、「日本」という生徒の成績表を発表した。まずは高齢化と人口減少に悩むこの国の健康診断書から。世代交代は順調に進まず、2050年の人口は20%減少して1億人になる見込みだ。しかもそのうち79%が65歳以上で、生産年齢人口(15~64歳)は1600万人減少する。日本が抱える問題はある意味成功のもたらした帰結でもある。現在日本人の平均寿命(1960年の68歳に対し現在は84歳)と健康寿命(75歳)は世界一であるが、長生きはこれでもまだ序の口!報告書は「2007年に(日本で)生まれた子供の2人に1人は107歳まで生きることが見込まれる」としている。

 

ウーマノミクス?その遅々たる歩み

今から20年前、ゴールドマン・サックス証券のアナリスト、キャシー松井氏は日本の働く女性に関する自身初のリポート『ウーマノミクス』を発表した。その内容は、自分も同じ(フェミニストの)仲間であるとメディアや外国投資家にアピールすることに余念がない安倍晋三首相と日本の雇用者から好評をもって迎えられた。松井氏は4月に発表された最新版リポートで現状分析を行っている。ここ数年間の最も目覚ましい「進歩」は、生産年齢人口に占める女性の割合が大幅に増加したことだ。現在、日本女性の労働参加率は71%で、この数字は米国(66%)やユーロ圏(62%)を上回っている。しかしこれは本当に進歩と呼べるものだろうか?それは本当に女性解放なのか、実は隷従ではないのか?家族(子供、両親など)の世話という女性個人が背負う義務と両立させるため、その半数以上は家計の足しにしかならないパートタイム雇用に甘んじている。松井氏によると、現在ダブルインカムの世帯は夫婦の一方のみが働く世帯(640万世帯)の2倍に上るという(1200万世帯)。1980年の状況は全く逆で、逆転現象が起きたのは1990年代半ばのことだった。

 

日本の変わらぬ成績表

このような長寿社会の到来を前に、報告書は過重労働の軽減(日本人の22%は「週労働時間50時間以上」)、転職の容易化、女性や高齢者に不利な二重労働市場の平等化、就労期間の延長など様々な政策を提言している。また「OECD加盟国で最高水準の日本人の読解・計算能力は、労働市場改革の基盤を提供する」との心強い指摘も。報告書は他にも肌で感じられる日本の経済状況を裏付けるデータを提供している。例えば観光ブームに乗って、旅行業は既にサービス輸出の21%を占めるまでに成長した(2011年にはわずか8%!)。生産性についてはOECD加盟国の上位国と比べ4分の1低く、引き続き改善が望まれるところ。特に中小企業の生産性は大企業の半分以下に止まっているとの指摘がある。

 

ヴァーチャルな日本

日本にはニューエコノミーがない?だが消費者はそうでもなさそうだ。在日投資家ジェームズ・ライニー氏によると、日本人はTwitterユーザー全体の15%、Evernoteユーザー全体の20%、Amazon利用者全体の7%、セールスフォース・ドットコム利用者全体の20%を占めており、Apple社製品の売上高に占める割合も全体の7.7%に達するという。

 

5%

女性管理職の割合は、ウーマノミクス最大の誤算といってよい。日本企業の取締役会に占める女性の割合はわずか5%。米国企業ではこれが20%、欧州企業においては25%にも達する。起業意欲のある女性たちも、管理職ポストへの登用の少なさをカバーし切れていないようだ。起業した日本人女性は、男性の7%に対し4%と少ない(フランスやドイツと同レベルだが、中国や米国には大きく水をあけられている)。

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