「日本はリーダーであり続ける」

「日本はリーダーであり続ける」

ORANGE(オランジュ)の最高経営責任者にとって、日本は依然、電気通信事業のお手本だという。

1995年、日本が世界の電気通信市場の 4分の1を占めていた。当時Iモードやカメラ を装備した最初の端末が話題になっていた が、今はどういう状況か?

この10年、中国の出現とともに状況は激変し た。10年前、中国3大事業者が世界のトップ15 に入ることはなかったが、今日3社ともランキン グ入りしている。そのうち9億人の顧客を抱える China Mobile(チャイナモバイル:中国移動通信) はトップ5 に入っている。日本に目を向ける と、3社をあげることができる。これら事業者は、 ソフトバンクを除き主に日本国内で事業展開し ている。

その中でも日本のリーダーNTTは、今なお売上 高で世界の三大事業者に数えられる。しかし加 入者が日本人であるため、NTTグループは日本 企業のままである。というより、すべての日本大 手事業者が国内市場に焦点を当てているので ある!欧州やアフリカに事業展開するオランジ ュのように、国際的な展開はヨーロッパ通信事 業者の十八番だ。

一方、日本はこれまでずっと通信網技術の先 端を走ってきた。ヨーロッパではまだ話題にす ら上っていない頃、日本は韓国と共に光ファイ バーを大規模展開した最初の国々の一つだっ た。5Gではかなり進んでいる。インターネット通 信容量と通信網の質において、日本は依然とし てリーダーである。我がフランスにおいて近年、 光ファイバー網の設置普及が完了したところだ が、日本はこの作業を10年前に終えている。
 

日本では携帯電話事業者に対して、事業 ライセンスを支払う必要がない。しかしフラ ンスでは支払わなければならない。事業者に とってこれは重要な違いか?

健全な事業バランスシートの基本は、通信網展 開に必要なコストにかかっている。まずライセ ンスを購入して、そしてスペクトルを決め、やっ と通信網を設置するとなると・・・。
 

携帯電話事業者はこれまでずっと、端末 製造業者を彼らの意のままにしてきた。今後 もこの状況が続くのだろうか?

日本は長年、端末とネットワークを統一しようと してきた例外的存在。4、5年前まで日本の通信 事業者は、各社の“専用端末”を提供していた。 しかし、端末機器業界は変った。NOKIA(ノキ ア)、MOTOROLA(モトローラ)、BLACKBERRY( ブラックベリー)は、SAMSUNG(サムスン)や中 国の製造業者が行ったようなAPPLE(アップル) 寄りのスマートフォンへの転換をしそこなった。 日本人はレースにとどまり戦い続けているが、 状況は厳しい。ソニーが奮闘しているけれど、 中国企業は資金が豊富で12億人の加入者市場 を抱えている。
 

この分野で日本は今後どのように進化す る?

日本では今、携帯料金が下がりつつある。それ は喜ばしいことだが、消費者の視点だけで見 ているわけにはいかない。事業者の投資能力、 直接あるいは間接的に彼らの事業に関わる雇 用の問題、そして彼らのデジタルイノベーショ ンへの貢献を含めて考えなければならない。 通信事業は国の意思決定に翻弄されやすい分 野だ。政治家たちは、いつだって事業者が適応 していくと思っている。確かにその考えは間違 ってはいない!我々は苦しんできたが、6年前よ りも状況が改善されたのは確かだ。日本人は これから激変期を迎えるだろう。最近日本政府 は、4つ目の事業ライセンスを楽天に許可した。 これはFREE(フリー)がフランスに進出した時 のことを思い出させる。フリー参入により、携帯 電話料金はほぼ半額への引き下げを余儀なく された。そう、フランスはすでに経験しているの だ。
 

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