エマニュエル・マクロン

エマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル大臣 。「日仏関係の枠組みの中で働く人は13万人」

経済大臣が来日し、フランスをPR

日本の完全雇用制度からフランスが引き出せる教訓とは?
日本とフランスの経済・社会的状況には極めて大きな違いがあることから、両国を無理に比較しようとは思いません。例えば労働時間や就労のあり方、さらには労働市場の成り立ちも異なります。また、失業率のみを他の要素と切り離して比較しても意味がありません。重要なのは労働力率(生産年齢人口に対する労働力人口の比率)です。この数字を見ると、韓国、日本、フランス、さらには米国なども同じ失業率となります。ですから正直に申し上げて、フランスの失業問題に対処する際に日本の事例が特段参考になるとは思えません。わが国の失業率が高い理由は既に明らかで、そのために何をすべきかもわかっています。競争力と労働コストの部分については、既にCICE(競争力強化・雇用促進税額控除)や責任協定の導入などの取り組みが始まっています。今後は構造改革を進めていくことになるでしょう。

フランス経済における日本の重要度は?
総合的に見て、日本はフランスにおけるアジア第2の投資国です。国債の買い手であると同時に民間企業の社債や資本への投資も行うという日本のようなパターンは極めて稀です。今日、日本はフランスの債務の安定的な引受先となっており、ユーロ圏が経済危機に瀕した時期もその状況に変化はありませんでした。換金性が高く、かつ流動性やリスクに照らして妥当な収益が見込めるフランスの有価証券は、日本の投資家の目には相変わらず魅力的なものと映っているようです。
社債については、現在フランス経済への投資におけるディスインターメディエーション(銀行離れ)を進めているところですが、こうした取り組みは日本の皆様にも興味を持っていただけるのではないでしょうか。フランスでは依然として企業融資の80%を銀行が担っています。ただしこの割合は縮小傾向にあり、企業が社債を発行し市場で直接取引するためのツールが次々に登場しています。このような変化は外貨投資を考えている日本人投資家の関心を強く惹きつけるはずです。ところでフランスには創造性溢れるスタートアップ企業やイノべ―ションに優れた企業がいますが、彼らは自己資本を必要としています。投資家の皆様にはこれら企業への出資もお勧めしておきました。
日本とフランスの間にはしっかりとした相互理解の基盤があり、これまでにも多数のパートナーシップ提携や投資が相互に行われてきました。在日フランス企業の従業員は6万人、在仏日本企業の従業員は7万人に上ります。言い換えれば、実に13万人もの人々が日仏両国協力の枠組みの中で働いているというわけです。

日本に伝えたメッセージは?
わが国の改革プログラムと、ユーロ圏全体を見据えた今後の展望についてご説明しました。こうした課題については日本と相通ずるところがあります。構造改革の効果が現われるまでには相当な時間を要する、このことはフランス同様日本の皆様もよくご理解されているところですが、両国が直面する課題には数多くの類似点があるようです。
今日、日仏両国の若者たちがその犠牲となっている硬直したシステムなどもその一例です。日仏両国の社会は成熟した産業社会であり、その点で同じ課題への対処を迫られています。それは従来の枠組みに捉われない経済システムを確立すること――物事をもっと迅速に進め、古い決め事を破壊し、規制を緩和し、既得権益を揺さぶって新たな場と機会を創出していくことが求められているのです。今回私は楽天とソフトバンクを視察しましたが、これら企業はその好例と言えるでしょう。こうした新しい経済システムの中では、既得権益にぶら下がり続けることはできないのです。

自由貿易協定の交渉についてはいかがですか?
お互い自分の「フラストレーション」の在り処はわかっていますが、本件についてはとにかく前進あるのみです。鉄道や農業、医薬品分野においては日本側の一層の努力が望まれますし、欧州側には自動車分野でのさらなる柔軟性が求められています。今回の交渉では協定の締結に向け改善すべき点を日本側にはっきりと伝えました。

アベノミクスに対する評価は?
アベノミクスは現在進行形の政策であり、その評価を下すのは時期尚早です。ただし現時点ではっきり言えるのは、経済活動に対し政治家が再び積極的に関与するようになったということで、このこと自体は歓迎すべきでしょう。これは改革の要素とともに対アジア地域という側面では非協力的な意味合いも併せ持つ、明確かつ大胆なプログラムです。アベノミクスは日本を再び表舞台へと押し上げたと言えるでしょう。

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France Japon Eco N° 157