連載・特集
フランス・欧州を目指す日本、知的財産の備えは?
![[Translate to Japanese:] Le Japon à la conquête de la France et de l'Europe : votre propriété intellectuelle suit-elle ce rythme ?](https://aws-a.medias-ccifi.org/fileadmin/_processed_/2/5/csm_CNCPI_TYPO3_5aaf339d07.jpg)
450億ユーロ――これは「Choose France 2026」サミットで発表されたソフトバンクの投資額で、日本はフランスにとってアジア最大の投資国となりました。
この数字は決して偶然ではありません。現在、フランスには約490社の日本企業の現地法人・子会社が進出しており、約7万4,000人を雇用しています。例えばトヨタは、オー=ド=フランス地域圏の工場に15億ユーロ超を投資し、2022年以降、フランス国内で最大の自動車メーカーとなっています。村田製作所も、フランスのスタートアップ企業IPDiaの買収によって取得したカーンの拠点を欧州における主要拠点の一つと位置づけ、拡張のため6,000万ユーロを投資しています。
そして、経済的な展望はフランスの国境内にとどまりません。フランスは、EU単一市場への戦略的なアクセス拠点であり、27の加盟国、4億5,000万人の消費者を抱える巨大市場につながっているからです。こうした環境では、欧州市場への進出を見据え、特に無形資産の保護について、あらかじめ戦略的に考えておく必要があります。
欧州に投資している資本と同じように、皆様のイノベーションやノウハウも欧州でしっかりと保護されていますか?
現在、日本は特許出願件数で世界第3位の国であり、2024年には41万9,000件を超える出願が行われました。この卓越したイノベーション力は、欧州市場を開拓するうえで大きな経済的強みとなります。ただし、そのためには、欧州において自社のイノベーションを適切に保護することが重要です。
日本でのみ登録した商標、欧州に権利を拡張していない特許、あるいは現地法人の設立時に、十分な契約上の枠組みがないままノウハウを共有すること。こうした点が、企業にとって大きなリスクとなる可能性があります。これは、大手製造業から欧州進出を進める中小企業まで、あらゆる企業に当てはまります。
一般に考えられているのとは異なり、欧州で知的財産を保護することは、大企業だけに限られたものではありません。EUIPO(欧州連合知的財産庁)への商標・意匠の出願や、EPO(欧州特許庁)への特許出願を活用することで、保護にかかる費用を合理化し、欧州連合(EU)加盟27カ国を1件の出願でカバーすることが可能です。
ただし、知的財産権に関する専門家のサポートなしに進めるのは得策ではありません。知的財産の専門家である弁理士(CPI)は、欧州で自社のイノベーションを確実に保護したい企業にとって、重要な相談相手となります。
欧州で知的財産を守る、弁理士というパートナー
弁理士(CPI)は、知的財産に関する助言や戦略的な支援を専門とする、国家資格に基づく専門職です。フランス国内だけでなく、欧州における知的財産の保護についても企業をサポートしています。弁理士には、エンジニア、科学者、法律の専門家などがおり、厳格な専門試験を経て資格を取得しています。企業の知的財産権の保護、権利行使、価値の最大化を支援することを専門とし、商標、特許、意匠、ソフトウェア、ノウハウなど、幅広い知的財産を扱っています。
具体的には、弁理士は次の3つの重要な分野で企業をサポートします。
- 戦略と出願:欧州への進出前から、無形資産をどのように保護し、その価値を最大化するのが最適かを検討し、出願戦略を立案します。
- 契約と紛争:譲渡契約やライセンス契約の作成、紛争の予防、模倣品・権利侵害が発生した場合の対応について助言します。
- 最適化と価値創出:知的財産の監査や価値評価を行い、事業拡大や資金調達などの局面でも、知的財産を企業価値の向上につなげます。
フランスで活動するすべての弁理士(CPI)は、CNCPI(フランス知的財産コンサルタント全国協会)に所属しています。CNCPIは、1990年からフランス法によって規制されているこの専門職について、その質や独立性、職業倫理を管理・保証する公的な職業団体です。CPIに依頼することで、専門的な資格を有し、守秘義務を負い、フランスおよび欧州の法制度に関する深い知識を備えた専門家によるサポートを受けることができます。
すでに進む日仏間の協力
知的財産の分野における両国の連携は、決して新しいものではありません。CNCPIは以前から、**JPAA(日本弁理士会)やJIPA(日本知的財産協会)**と緊密な関係を築いてきました。
そして最近、さらなる一歩が踏み出されました。2025年には、CNCPIと在日フランス商工会議所(CCI France Japon)の間で、経済協力、イノベーション、産業財産権をめぐる協力に関する覚書が締結されました。 その後、両団体は2028年を見据えた共同行動計画を策定し、フランス企業と日本企業を対象に、人工知能、ラグジュアリー、半導体など、時事性の高いテーマを取り上げるウェビナーやセミナーを共同開催するほか、両国のエコシステムをつなぐ取り組みを強化しています。
こうした取り組みは、日本における欧州最大の商工会議所であり、750社を超える会員企業を擁する在日フランス商工会議所が果たす、より幅広い役割の一環でもあります。同商工会議所は、フランス企業と日本企業の事業展開をすでに積極的に支援しています。
欧州進出への意欲を支える、強固な知的財産
フランスや欧州への投資、特に現地法人の設立やビジネスパートナーとの連携を進めることは、企業にとって重要な戦略的決断です。その構想を法的な側面から確実に支えることは、欧州進出に向けた第一歩であり、長期的な事業展開を支える重要な基盤となります。
弁理士(CPI)と在日フランス商工会議所は、日本に拠点を置く企業の皆様が、欧州における知的財産やノウハウを適切に保護できるよう、サポートしています。商標や意匠の出願、特許の欧州への権利拡張、あるいは現在の知的財産保護戦略の見直しをお考えの場合も、フランスの弁理士(CPI)が信頼できるパートナーとして、EU単一市場への進出を安心して、確かな基盤のもとで進められるよう支援します。