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エールフランス、羽田空港第3の発着枠に参入

エールフランス、羽田空港第3の発着枠に参入

「こんなチャンスは今後長いこと来ないでしょう」。エールフランス航空の日本・韓国・ニューカレドニア支社社長ステファン・ヴァノヴェルメール氏は、羽田空港における新しい発着枠獲得に専心している。2019年、日本政府が国際線発着枠50「スロット」を新設する。官公庁関係者(多くの国の公共交通機関担当当局)と民間関係者(航空会社)が競い合う協議が始まる。およそ10年に渡る日本の空港経営改革は、東京の羽田空港の様相を大きく変えた。長い間国内線に限定されていた羽田空港は、東京の中心街に近いことから徐々に国際線に開放され、今や最も便利な東京の玄関口である。恵まれたロケーションに、さらに魅力が加わるだろう。今後数年間、品川と羽田を結ぶ鉄道路線だけでなく、首都経済の中心地全体の整備が進められる予定だ。

フランスへの観光およびビジネス旅行の日本人訪問者数は減少した。しかし日本人のフランス訪問は回復の兆しを見せている。「直行便を好む客層は変わらず存在します。その場合ビジネスクラスの利用率がかなり重要です」。ステファン・ヴァノヴェルメール氏は説明する。日本と欧州、二つの経済圏間で自由貿易協定が締結されたことを受けて、日本から欧州への新たな投資が生まれ、法人顧客は今後数年間で成長すると予想されている。

日本への外国投資は減っているが、観光客の数は爆発的に増えている。2012年以来3.4倍増で、世界の旅行史上に例を見ない飛躍である。2011年には9万5000人、2017年には26万9000人(+ 280%)のフランス人観光客が日本を訪れた。そして今後、その数はさらに増えることだろう。

一方、フランス企業のアプローチ活動は微妙だ。日本の国土交通省は未だ欧州企業について言及していない。しかし新増枠分の半分が、日米企業に等分されることは決まっている。

他にも問題がある。東京発1日3便 (羽田2便と成田1便)で、「エールフランスはすでに充分な便数が運航していますよ」と、某業界人は言う。しかし、ステファン・ヴァノヴェルメール氏はエールフランスがいかに誠実な会社であるかを主張する。「フランスは欧州きっての目的地です。ここ数年の厳しさを乗り越え、日仏路線は2桁台の成長を示しています。2011年の福島危機の時でさえ、私たちは決して諦めませんでした。これからもパリと東京成田間の路線を維持していきます」と述べた。これまで、エールフランスはパリ東京線への努力を緩めることはなかった。「この夏、東京とパリ間で1日1000席の利用が可能となります(東京便では史上最高)」とさらなる意欲をみせている。

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