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ウーマン・イン・ビジネス委員会セミナー、東横イン社長黒田麻衣子氏
ウーマン・イン・ビジネス委員会は2018年2月6日、東横イン代表執行役社長黒田麻衣子氏を迎え、「日本のホスピタリティの将来:東横インの女性の活躍と海外展開」と題する講演セミナーを開催した。黒田氏は、ホテル事業における経営のビジョンや、女性支配人のメリット、東横インの海外展開における進行中のプロジェクトなどについて語った。
1986年に創設されたホテルチェーン東横インは、無料のインターネットアクセスと朝食サービスが利用できる経済的なビジネスホテルチェーンとして日本では誰もが知る存在だ。毎年安定して客室数を伸ばし、2018年現在、東横インは日本一の客室数を誇るホテルチェーンとしてサービスを展開している。
6年間家庭に専念して過ごした黒田氏は、2008年経営者である父親の退任を機にこの家族経営の東横インに復職し、2012年には社長に昇格する。男性優位社会の日本では珍しい女性社長の誕生であった。現在、東横インホテルの支配人は、98%が女性で占められている。たとえホテル産業とかけ離れたものであっても、すべての経験はその人が持つ正当な能力であるとする考え方は、黒田氏自身がそうであったように「主婦」からの転身者も含み、あらゆる方面の女性にチャンスを与えている。
東横インチェーンのもう一つの戦略は「現場で対応すること」だ。各ホテルに、とりわけ女性支配人のなかにその地元の出身者を雇用することに力を入れ、彼女たちに最大の自主性を与えている。ホテルの支配人は、朝食メニューの選択や必要に応じた従業員の雇用・研修などの領域において自由な決定権が与えられている。中国語を話す従業員を雇うことで、中国人宿泊客の急増に速やかに対応することができた店舗の例もある。
東横インはまた、地元やコミュニティの中に溶け込み、近隣の商業施設と強い絆を築いている。ホテルでは夕食を提供しない代わりに、宿泊客に周辺のレストランを迅速に案内している。東横インは近年、日本市場にだけに留まらず海外展開を開始した。アジアに複数の店舗をオープンした後、現在は欧州市場への進出を始め、今年その最新のホテルがマルセイユのサン・シャルルにオープンする。「有効な戦略を維持しながら、実用的で経済的な宿泊施設を求めているアメリカやアジアの顧客にアピールできれば」と黒田氏は期待する。マルセイユでも同地域に長く住んでいる日本人女性がホテルの支配人に就く。
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