連載・特集

エニファイ、日本国内でのポケットWi-Fiのレンタルサービス

在日フランス商工会議所の会員企業を紹介します。

北村陽二氏は38歳の若い起業家だ。ビヨンドゥ社を2014年に創設し、訪日観光客向けにポケットWi-Fiのレンタルサービス「エニファイ(Any-Fi)」を行っている。

北村陽二氏はその若さにもかかわらず、会社設立を試みたのはこれが初めてではない。米国ワシントンで政治学を学んだ後、数年間ロビイストとして活動した後帰国。その後日本での生活に疲れ、今度は中国に渡って中国語を学び、最初の会社を設立するに至った。「はじめはバックパッカーとして渡りました。中国ではあらゆるエネルギーを感じました。経済成長の真っただ中で、日本では感じられないものでした。直ぐに中国にとどまることを決心しました」と、北村氏は語る。日本で働いていた会社を辞めて再び中国へ戻り、レストランで働きながら中国語を学び、自分の会社を立ち上げようと決意する。残念ながら事業は実を結ぶことはなく、会社設立から4年後、北村氏は日本へ帰国する。

東京の街中で観光客をサポート

中国から帰国した北村陽二氏は、日本にやってきた外国人観光客がアクセスに苦労しているケースが多いことを実感する。「銀座や東京駅では、多くの観光客が道に迷っています。街には英語の表示がまだ少なく、日本語を話せない彼らにとっては、レストランを探すのも地下鉄の切符を買うのも、自分がどこにいるのかを把握することも、非常に苦労するんです。」こうして北村氏は数か月の間、手作りのガイドブックを片手にボランティアで観光客をサポートすることにした。「他の200以上の有名な観光地ではなく、わざわざ日本を選んで来てくれた方たちです。その観光客たちに良い思い出を作ってほしい、私のお気に入りのレストランで食事を楽しんでほしいと思いました。日本での休暇を楽しんでもらいたかったのです。彼らが私のサポートを喜んでくれて嬉しかったです」。そうするうちに、自らの会社を設立するというアイデアが浮かんだ。「今回の(会社設立の)計画は、自分が好きなことが出来る上にこういったサービスが大切だと思っていたので、自然な成り行きでした。」

訪日観光客向けのWi-Fiアクセスのサービス

観光客のサポートを数か月行った後、一つの確信を持った。「外国人観光客に本当に欠けていたのは、滞在中にインターネットに簡単にアクセスできることでした。」インターネットがあれば、「外国人観光客は、大抵の疑問に関する答えを簡単に見つけることができます。レストランを探し、街での自分たちの位置を確認し、ものによっては翻訳もできるのです。」こうして、ポケットWifiのレンタルサービス「エニファイ」を行うビヨンドゥ社が誕生した。今日、この若い企業は、東京と大阪に17か所の販売店を有する。「ポケットWi-Fiは、店舗ではその場でレンタルできまし、オンラインで注文しホテル、アパート、空港、airbnbの宿泊先などで受け取ることも可能です。帰国の際は、郵便ポストに投函して返却いただけます。」エニファイのWi-Fiネットワークは、「日本全国をカバーしており、同時に10台までの機器に接続することができます。」日本語を話さない観光客にとって、Wifi貸出サービスは日本をより身近にさせるサービスなのだ。「観光客の方たちに、日本で素晴らしいひと時を過ごしていただきたいと思います。そして、ぜひまた日本を訪れてほしいです。」

 

エニファイ(Any-Fi)HP : https://www.anyfi.jp/

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