企業トピックス
株式会社BULL、フランスに初の海外法人「BULL SAS」を設立
─ 宇宙デブリ対策技術を軸に欧州展開を強化
宇宙の持続可能な活用を目指す株式会社BULL(本社:栃木県宇都宮市、代表取締役CEO:宇藤恭士氏)は、2025年4月13日、欧州市場における事業展開強化の一環として、フランス・パリに100%出資子会社「BULL SAS」を設立したと発表した。
BULLは、「地球内外の惑星間の行き来を“当たり前”に」というビジョンのもと、天体への再突入技術を活用した宇宙利用サービスの構築を目指しており、同社の技術は宇宙デブリ(宇宙ごみ)の低減にも貢献。
今回の欧州展開は、経済産業省および日本貿易振興機構(JETRO)が主導する「J-StarX Europe Long-term Program(France)」への採択が大きな転機となったようだ。同プログラムでは、世界トップクラスのビジネススクールであるHEC Parisの支援も受けており、欧州市場での事業基盤構築を後押しした。
BULLはすでに、革新的な技術で地球規模の課題に挑むスタートアップとして「J-Startup」プログラムにも選定されており、その技術力と将来性は国内外で高く評価されている。
新設されたBULL SASは、宇宙機関や欧州内パートナー企業との連携を強化するハブとして機能する予定であり、同社が開発する宇宙デブリ化防止装置「HORN」などの展開を加速させる。欧州はSDGsへの関心が高く、国際ルール整備でも先進的な動きを見せる地域であることから、現地のニーズに即した技術提供により、BULLは持続可能な宇宙利用の実現に貢献していく方針だ。
宇宙産業の国際的な成長が期待される中、BULLのグローバルな挑戦は今後も注目を集めそうだ。
BULL SAS 代表 宇藤恭士のコメント
このたび、BULLとしてフランスに完全子会社を設立できたことを心から嬉しく思います。日本発の事業者として掲げる『地球内外の惑星間の行き来を“当たり前”に』というビジョンを実現する上で、フランスは政策、技術、マーケットのすべてにおいて極めて重要な戦略拠点と位置付けています。欧州の先進的な宇宙環境規制や持続可能性への高い意識に応え、グローバルマーケットでの事業展開に向けて、欧州における現地パートナーの皆さまと共に価値を創出し、技術革新と社会実装を一気に加速させてまいります。今回の挑戦は、「中小企業イノベーション創出事業(SBIRフェーズ3)」(文部科学省)による社会実装支援、ならびに「J-StarX Europe Long-term Program(France)」や「J-Startup」プログラム(経済産業省およびJETRO)による海外展開支援など、日本政府からの力強い後押しによって実現したものです。改めて深く感謝申し上げます。今後も、日本とフランスをつなぎ、宇宙産業の持続可能な未来を共創すべく、さらなる高みを目指して挑戦を続けてまいります。
BULL SAS Country Manager Eric LUVISUTTO のコメント
BULL SASのフランス・カントリーマネージャーに就任できることを光栄に思います。宇宙環境の保全をミッションの中核に据える企業の発展に貢献できることは、非常に刺激的な機会です。宇宙の保全は未来の世代にとって重要な戦略的課題であり、BULLは宇宙ゴミ削減に向けた具体的な行動を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)に則った責任あるアプローチに取り組んでいます。この野心的な目標に携われることを誇りに思い、フランスおよび欧州の宇宙エコシステムとの緊密な関係を活かし、私の専門知識を惜しみなく投入し、BULLの発展を支えていきます。
ジェトロ・パリ事務所 田村暁彦 所長のコメント
今回のフランスでの拠点設立を大変喜ばしく思います。BULL社は経済産業省・JETROが実施する2024年度起業家等海外派遣プログラム「J-StarX」の欧州長期派遣プログラムに採択されるなどフランス・欧州展開に本格的に取り組んでおり、その活動を加速しています。今後構築されていく宇宙デブリ対策の国際的な枠組みの中で、同社が重要な役割を担っていくことに期待しています。今回の拠点設立を契機に、さらに欧州の宇宙関連産業との関係強化およびマーケット開拓が進むよう、JETROとしてグローバル・アクセラレーション・ハブなどの支援プログラムを通じて引き続きサポートしていきます。
株式会社BULL(ブル)
本社住所:栃木県宇都宮市中央三丁目1-4
代表者 :代表取締役/CEO 宇藤恭士
事業内容:宇宙デブリ対策事業、軌道利活用関連事業