スキー、人気は休講気味

スキー、人気は急降気味日本では人気が下降気味なスキー。しかしそこには大きな可能性が!

パウダースノー
北海道のスキー場には世界一のパウダースノーがある。そして1998年冬季オリンピックの開催地、長野のスキー場はアジア太平洋地域の人々の憧れの的だ。しかし日本は(「もはや」または「まだ」)スキー大国ではない。確かにスキーが人気を集めた時代もあった。1980年代末まで続いたバブル期、スキーは空前のブームを迎える。競技人口は1982年の600万人から1998年には1800万人に膨れ上がった。しかしその後は減少に転じ、現在は770万人まで急落した。デフレ到来前の好況時代、スキーはまだ将来を心配することもなかった当時の若い世代に親しみやすい人気のスポーツだった。その後、高齢化と若者の生活不安定化というスパイラルに陥り、スキーは働き盛りの裕福な人々向けのスポーツとなった。グループ・ロシニョール株式会社COOの高橋正彦氏は「スキーはゴルフと同じカテゴリーに属するスポーツになりました」と述べている。スキー熱が高まっている間に、例えば国がもっと長期的な視野に立ってこの市場の安定化を図っていれば、フランスのスキー場に見られるような様々な関連サービスの展開も可能になるのでは。

下降
しかしフランス式「余暇時代」という考え方にまだ抵抗のある日本では、職場や学校の有給休暇制度、さらには電車の時刻・料金体系などをスキー場のオープンに合わせて整備するなどの取り組みを、国と地域が一丸となって行っていない。年間20万台のスキー板を売り上げるというロシニョール社だが、その売り上げも年々減少しているという。
だが明るい兆しもある。海の向こうからやって来る外国人観光客だ。厳しい状況の中、見事に窮地を切り抜けている幾人かの外国人がいる。北海道サホロなどはその好例である。クラブメッド社が経営する北海道東部のこの「バカンス村」、シーズン中は世界一の雪を体験しようというアジア太平洋地域、時には欧米からの客で満員だ。ニセコも以前はひっそりとしたものだったが、自国と時差のないこの地の雪質に魅了されたオーストラリア人が今ではここに居を構えるまでになっている。

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