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フランス国立図書館(BnF)が日本のテクノロジーを借りてデジタル化を進めている。同図書館と大日本印刷(DNP)は、3D(三次元)デジタル化と歴史的価値のある55個の貴重な地球儀と天球儀の普及について技術協定を締結した。BnFの地図部門は、200個以上から成る歴史的に貴重な世界有数の地・天球儀のコレクションを保有している。今回のデジタル化プロジェクトのために、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、イギリス、アラブ諸国などで11世紀~19世紀に製作された地・天球儀の中から、最も貴重な55個を選定した。
DNPは、パリのBnFで55個の地・天球儀のデジタル化に必要な撮影をすでに終えて、現在これらの画像データを3D化するための作業を日本(東京)で行っている。天・地球儀のこれほど大々的な規模のデジタル化は世界初。DNPは、世界各地の文化遺産のデジタル化を手掛けてきた技術と、これを機にDNPが開発した最新の天・地球儀の3Dスキャンの先端ツールをBnFに提供する。美術工芸品であり、科学資料でもある天・地球儀をデジタル化することにより、その一つ一つをあらゆる角度にスムーズに回転、拡大させることで肉眼では見えにくい細かい部分まで高解像度で鑑賞できるようになる。DNPが開発するこれら独創的なツールにより、作品保全の関係から一般公開の難しい素晴らしい世界的文化遺産を、誰もが容易に閲覧できるようになる。
フランスと日本の文化の架け橋である、DNPとの今回の技術協定により、BnFは、2015年末までに、BnFが運営する電子図書館「Gallica」に3D化を導入し、天・地球儀を自由に閲覧できるようにする予定だ。また、2016年には、BnFとDNPのパートナーシップの成果をより進展させた、さまざまなイベントを実施する計画がある。例えば、東京のDNPの施設やパリのBnFにおいて、高精細3Dデジタルを活用したツールで天・地球儀をこれまでにない方法で鑑賞できる展覧会が開催される。また、「Gallica」やBnFのウェブサイトでも、オンライン展覧会を初めとする活用が行われる予定だ。


Orange FabがDemo Day開催

7月1日、「Orange Fab Asia Spring 2015」のDemo DayがOrange Asiaの新宿の事務所で開催された。日本、韓国、台湾のOrange Labsが創設したOrange Fab Asiaは、アジアのスタートアップの市場開拓を支援するため、東京、ソウル、台北で開催される3ヶ月間のスタートアップアクセラレータプログラム。Orangeは事務所や人的ネットワーク、流通網、専門的評価をスタートアップに開放している。 プログラムが対象とするのは特にクラウドサービスや連結オブジェクト、ビッグデータ、ビデオ、先端テクノロジーに携わる新興企業。東京、ソウル、台北から24のスタートアップ企業が集まり、ピッチセッションやデモブースで、投資家やパートナーに自分たちのプロジェクトを紹介しした。在日フランス商工会議所とビジネス・フランスはこのイベントを支援し、当商工会議所はOustanding TechnologyとAnyware Videoの2社を候補として提案した。


エアバスの装備をジャムコが受注

ジャムコはエアバスのA350 XWB 機向けの新型の後部厨房とラバトリー(化粧室)の開発、製造、販売、メンテナンスを受注し、2社間で調印が行われた。ICE (Increased Cabin Efficiency)リヤギャレーと呼ばれるこの設備により、快適さを損なうことなく座席を増やすことが可能となり、2018年から航空会社に提供される。ジャムコはエアバスの機内装備品の一次サプライヤーとなった。


エールフランスの機内食に和食も

味噌汁、漬物、梅干し。7月2日よりエールフランス航空は、日本(東京・大阪)発・パリ発のファーストクラスとビジネスクラスで、和食メニューの注文が可能になった。乗客は和食か洋食のどちらかを選ぶことができ、追加料金は発生しない。
和食メニューは搭乗の90日前から24時間前までの事前予約となる。PCあるいはスマートフォンから、航空券購入時あるいは予約変更時、オンラインチェックイン時に申し込みができるほか、電話でも受け付けている。機内食はミシュランガイドのスターシェフたちがメニューを開発し、世界ソムリエチャンピオンと専門家たちがエールフランス便のために厳選したワインをそろう。


コントラストの効いたゲルベ(Guerbet)

ゲルベ(GBT)は、富士製薬工業株式会社(富士製薬)との間に、2015年10月2日以降のX線画像用、MRI用、インターベンショナル ラジオロジー(画像診断的介入治療)用の造影剤に関する日本国内での流通、販売促進について契約を締結したことを発表した。造影剤は、脳や腎臓、肝臓、血管、関節、胃などの臓器をより鮮明にコントラストの効いた画像に映し出し、異常を発見に役立つ製品。今回契約締結の対象となった造影剤は、次の3種類。MRI用造影 剤の「マグネスコープ®」(日本国外では「ドータレム®」の名称で流通しているヨーロッパ有数の造影剤)、X線画像用造影剤「ヘキサブリックス® 320」、インターベンショナルラジオロジーに用いられる「リピオドール®」。ゲルベ・ジャパン株式会社代表取締役社長スティーヴン・ブライエルは、「今回の契約は、 富士製薬工業株式会社の先発医薬品ラインを強化するという同社の目標に沿った形であり、 さらに放射線医療、特にインターベンショナルラジオロジーの医療分野でのニーズが拡大している状況下、大きな成長が見込まれるアジアの主要市場におけるゲルベの成長戦略の継続を可能にするものです」と語る。 日本は、造影剤の大きな戦略市場だ。およそ1億2,700万人の人口と8,500の病院を抱え、医療機器の設置も大規模な数になる(ヨーロッパの設置数のおよそ2倍以上)。


サノフィ、次世代の治療

今年7月、サノフィ株式会社は厚生労働省よりインスリングラルギンの製造販売について承認を取得した。欧米では「Toujeo®」 の名で知られるこの新しいインスリンは日本では「ランタス®XR注ソロスター®」(以下「ランタス®XR」)」のブランド名で入手できるようになる。東京医科大学病院の小田原雅人教授は「基礎インスリンを必要とする患者にとって、ランタス®XRは、投与中の低血糖リスクを少なくする効果が期待できるでしょう。正確な投与管理が必要とされることが多いですから」と述べている。厚生労働省によれば、日本の糖尿病患者は950万人と報告されている。


三井不動産が東京オリンピックのゴールドパートナーに

三井不動産株式会社は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「ゴールドパートナー」契約を締結した。この契約により、三井不動産はスポンサーシップにで国内最高位となり、「不動産開発」カテゴリーにおける「ゴールド」パートナーとなった。三井不動産の目標は、日常の暮らしの魅力と機能を融合する街づくりの推進。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「街づくりパートナー」として、三井不動産は、スポーツ、伝統や文化の価値観を、おもてなしの精神を持って日本を訪れる世界中の人たちに発信し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に貢献する。また、2020年にオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されたという、「時の記憶」の要素を取り込んだ街づくりを進めていく 。



油の力を拡める伊藤忠

伊藤忠商事は、Mediaco Vrac Development (MVD)グループ傘下のProvence Huile (プロバンス・ユイル)の株式を取得した。プロバンス・ユイルはヨーロッパで植物油を製造販売している。伊藤忠はMVD社から出資証券を獲得し、プロバンス・ユイルを2015年中に子会社化の予定。MVD社は、高オレイン酸ひまわり油、グレープシード油といった付加価値の高い植物油の分野で25年の実績がある。
伊藤忠は、食品が健康に与える影響への関心が高まっており、需要が伸びると判断。
この製品をアジアや北米の販路を利用して売り込むことを目指し、食料資源の確保から加工・販売にいたるグローバル・バリューチェーンの構築を推進する。今回の資本参加によって、伊藤忠は欧州に事業拠点を得て、バリューチェーン強化に繋げていく方針だ。

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