再生可能エネルギー:ヴェオリアのケース

日本の再生エネルギーへの転換に取り組むヴェオリア・ジャパン

水から生まれた会社
初めて公共サービスの業務受託を各社に許可する法律に基づいて日本に進出した仏ヴェオリアは、主として水の管理と浄化の部門で業績を築いてきた。こうして、同グループは神奈川県の箱根市の公共水道サービスの管理を行うこととなり、なかでも、この観光地の有名な温泉に水を供給する業務を担っている。ヴェオリア・ジャパンはまた、子会社ジェネッツを通して、大阪全体および東京郊外の2,200万人の住民のための顧客サービスと料金徴収業務も行っている。だが、同社はこれまで、日本における他の事業展開において苦労を強いられた。

エネルギー方面への進出
2015年11月、同グループはついに国内のエネルギー市場に参入することを発表した。その一環として同グループは、環境サービス大手の日本企業タケエイと合同出資契約を締結し、20年間で、北日本に二ヵ所のバイオマス発電所を建設する計画である。
これら二ヵ所の施設は、一年を通じて100ギガワット毎時の電力を発電することとなるが、これは22,000世帯の消費電力に相当する。「全体で、4万トン以上の二酸化炭素が削減されることになります」とヴェオリア・アジア地域部長のレジス・カルメル氏は説明する。
タケエイが所有する資産運用会社(アセット・カンパニー)の収益と、ヴェオリアが管理する操業会社(オペレーティング・カンパニー)の発電所経営からの収益とを組み合わせた独自の仕組みに基づき、これらの二つの発電所は、隣接する材木工場から出る木くずの供給を受けることが合意されている。

経営多角化
ヴェオリアにとって、これら二つのプロジェクトは20年間で9,000万ユーロの累積売上高にしかならないかもしれない。しかし、これらは日本が再生可能エネルギーへと立ち戻るまさにそのタイミングで、ヴェオリアがキーと考える部門での多角化を行うことを可能にしてくれるだろう。「これらの発電所に特に補助金はありませんが、弊社は20年間一定の電気料金の適用を受けることができます。収益が保証されているのです」と指摘するカルメル氏は、日本におけるバイオマス発電プロジェクトの新規立ち上げを加速させている。ヴェオリアの発表に数日先立ち、住友商事も、近々、山形県において5万キロワットのバイオマス発電所を建設することを発表している。

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