名古屋、カリフォルニア

インターネットと自動車部品の接近?

誰のためにグーグルは走るのか?
電子工学と自動車、二つの工業分野がM&Aによって統合される。これは、この分野の愛好家にとって垂涎の的となるひとつの仮説であろう。グーグルがドライバー不要の電子制御車を将来的な成長の方向性のひとつと定めて以来、多くのビジネス金融業界が部品製造業の買収のシナリオを描いて動いている。「グーグルはもはや単独で成長を続けることはできません。ソフトウエアから素材へと進んでいくにちがいありません」とその内の一人は語っている。インターネットの巨人は既に、そのAndroidプラットフォームを自動車部品として開発するために設立されたオープン・オートモーティブ・アライアンスに加盟しているコストラクターと接触を始めた。グーグルは5月末、ハンドルもペダルも、チェンジレバーもない100%自律性の電子制御自動車のプロトタイプを発表している。「自動車部品業界は既にソフトウエアモジュールと一体化するようになりつつあるところです。自動車におけるIT技術の部分の発展は留まるところがありません」と横浜で行われた自動車の見本市「人とくるまのテクノロジー展」に日本の顧客を求めて来日したIT企業MGS社の代表取締役ティエリー・ジェラルダン氏は説明する。

安全性
しかし、多くの自動車部品メーカーは実にシンプルな理由から、このような接近を一蹴し、距離を置いている。「自動車業界において、絶対的な主要要素は安全なのです。いかなる欠陥も許さない部品作りをしているのです。それは我々が重大なリコールのリスクと共に生きているということを意味するものでもあるのです」とNTNの寺阪至徳氏は強調する。「任天堂のコンソールはビデオゲームの中でバーチャルな車のドライブを可能にするセンサーを使っています。だからと言って任天堂が自動車を作れるということになりますか?そうではないでしょう。」とヴァレオジャパンの代表取締役社長齋藤隆次氏は述べる。

テスラのケース
大胆な発想をする人であれば、自動車は今後全てが可能だということを肯定するためにテスラのケースを想起することだろう。ライン決済のPaypalや宇宙航空オペレーションのSpaceXを先に設立したアメリカの起業家イーロン・マスクによってゼロから出発したテスラは富裕層の顧客に高級電子自動車を提案することで急速に製品化を進めてきた。「今日では証券市場での資本組み入れ額ではテスラはプジョーのそれを2倍以上、上回っています。 2003年に誕生したテスラが年間2万台の車を生産しているのに対し、1965年に誕生したプジョーは年間3百万台の車を生産しているのです」とトヨタの幹部は心配そうに強調した。

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