商務部 : 日本、それは即決の国!

日本はのんびりした国? 商談相手からの問い合わせに誠意をもって回答すれば、決してそのようなことはありません。――在日フランス商工会議所(CCIFJ) 商務部主催の訪日ミッション参加後に自社製品の大量注文を受けたメルフォール社は、対応の驚くべき迅速さについてこう証言した。メルフォール社は、アルコールビネガーをベースにハチミツ、ハーブジュースをブレンドした独自の製法に基づくオリジナリティ溢れるお酢を取り扱う小規模企業である。メルフォール社でドイツ市場担当部門のトップを務めるフィリップ・イギー氏は、2012年末CCIFJとアルザス国際商工会議所の共催によるビジネスミッションの一員として訪日。2013年3月、同氏にこの時の体験について訊いた。
「日本でのミッションに参加し、選ぶのに困るくらい多くの輸入会社の候補企業と接触することができました」と同氏。それまでメルフォール社製品の日本向け輸出は年間1パレットに過ぎず、日本の市場潜在力に見合った量とはいえなかった。「当社の輸出売上は総売上高の3分の1を占めていますが、輸出には多額の投資が必要でした。」「ミュルーズに戻った私は、すぐに取引先候補との交渉を再開しました。現地で行った商談は非常に効果的で、CCIFJが参加者を絞ってくれていたおかげで、当社製品に対し本当に高い関心を示している輸入業者と面会できたのです。」 同氏は各輸入業者からの問い合わせに対する回答を、令状に添えて送付した。すると間もなくそのうちの1社から商品サンプル送付の依頼があったという。「費用は全て負担するから800ユーロ分の商品を送付して欲しい、ただし大至急お願いしたいとのことでした」 そしてEメールのやり取りが繰り返され、最終的に製品1コンテナ分の受注が実現したのである。「この注文は当社にとっても非常に大きな驚きでした。EU域外への輸出は少量となる場合が多く、これを拡大していくのは至難の業です。」同社の事例は、フランス中小企業の日本市場に対する関心の高まりを裏付けるものだ。生産設備への投資には消極的でも、事業パートナーや代理店候補を求めて日本の業界見本市に参加する中小企業は増えている。日本経済が十分健在だった2007年当時、当部で担当した取扱い件数は82件。これが2012年には116件に増え、2013年も現時点で既に83件に達している。

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