「成熟していると同時に大きな可能性を秘めた市場」

コファスの最高経営責任者ザビエ・ デュラン氏は,7年間日本でキャリアを積んだ。今回、フランス・ジャポン・エコーのインタビューに答え、取引信用保険市場の重要性について語った。

国際取引の不払いリスクをどのように評価するのですか?

コファスは、世界の信用リスクに関する最新の情報データベースを構築しており、8千万社の企業情報を有しています。このデータベースは、各国の市場の特性に精通した現地のエキスパートを通じて作り上げられています。当社では、国別、セクター別、産業別、企業別の分析が可能です。あるフランス企業が日本企業に対して不払いを行っている場合、それをコファスが把握 している確率は非常に高いです。日常的に、あらゆる経営者が、「私はリスクを取ってもいいの か?」と同じ自問を繰り返しているのです。

日本経済の規模に比べれば、日本でのコファスの事業は控えめと言えますが。

日本では、西欧のように取引信用保険の市場がまだまだ発達していません。日本企業は、コファス のような保険会社が提供するソリューションに慣れていないのです。しかし、当社のサービスの利点(強み)は、リスクの高い国際取引において発揮します。日本国内でもリスクは少しずつ増えていると考えれば、日本国内でも今後成長が期待できると言えるでしょう。

日本企業の海外展開は、コファスにとって チャンスと言えるでしょうか?

そうですね。日本企業は、規制やコストの理由で、ますます海外の企業に投資しています。そのため、不払いリスクに対してさらに備えておく必要があります。たとえば、ある企業が2の利益を見込んで、100の投資をする場合、よくあることなのですが、その企業は2のリスクではなく、100のリスクを負っているということなのです!つまり日本は、当社にとって、成熟した市場であると同時に、とてつもない可能性を持った市場であるといえます。フランス企業のコファスは、取引信用保険の世界的リーディングカンパニーであり、そのサービスは日本企業のニーズを完全に補完するものです。

サービスのプロモーションはどのように行っていますか?

事業の一部は保険代理店または保険ブローカーを通して行っています。それ以外は企業のもとでの直接販売を通しています。

今日、特に注目しているリスクは何でしょうか?

私たちが注視しているリスクのひとつに、公的・企業債務の水準があります。全般的にこの水準はいまだかつてないほどの高さです。また今日世界的に顕著となっている、保護主義によるリスクもあります。貿易取引がこれほどわずかな上昇にとどまっているのは初めてのことです。「リスク」そのものを予測すること自体、非常に難しくなっているのです。アメリカの次期大統領の名前さえ、投票締め切りの30分前までわからなかったことを考えてみてください!今後私たちは、一つのシナリオだけではなく、複数のシナリオに対して備えておかなければならないのです。

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