救世主

この若き起業家を止めるものは何もない 

IPO 
国光宏尚は日本のビデオゲーム業界を、そして明日にはメディア業界全体のルネッサンスを具現化するだろう。日本におけるアップルやグーグルの驚異的な成功は、日本の電機メーカー(パナソニック、ソニー、シャープ)や、通信サービス会社(NTT Docomo)、ゲームデザイナー達が優れた知性を発揮して働いていたこの国の生態系を破壊してしまった。「ビデオゲームはまず、任天堂あるいはソニーが開発したゲーム機から発展していきました。それにNTT Docomoとiモードが開けた大きな風穴からGREEやDeNAのような新しい主役が現れたのです」とゲーム関連業界のアナリストは解説する。その後、GREEとDeNAは世界進出に失敗し、日本というローカル市場で生き延びているのが現状だ。 gumiは先輩達とは異なり、日本の国境で砕け散ることはなかった。売上の半分以上は既に国外で達成されている。

世界的な男
どうしてそんなことが? なぜならば、国光宏尚が「開かれた世界の子」であるからだ。日本の携帯業界が崩壊しつつあった頃、彼はバックパックを背負って世界中を歩いていた。2000年代の初めに日本に帰るや、彼はテレビのためのルポルタージュ制作会社に入ったが、すぐに上司達の保守主義のために胃に穴が開く思いをしたのだった。その反対に、彼は携帯電話の分野では日本がまだまだ一歩先を行っており、またアメリカにおいてPCを使って急速に広まっていたツイッターやフェイスブックといったアプリが、やがて存続のために携帯に移るに違いないことを感じとっていた。「ツイッターの携帯版サービス、さらにフェイスブックの携帯版サービスを立ち上げました。しかし、僕にはコンテンツがありませんでした。そこで、コンテンツを作ろうと決めたのです」と、この夏シンガポールで開かれたTechAsiaの場で彼は可笑しそうにそう語った。「僕は旧世界のディズニーに取って代わる存在になりたいのです」と国光宏尚は語った。

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