日仏タンデム自転車

競技用自転車が日本の公道を席巻した。世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」の主催者であるASO(アモリ・スポル・オーガニゼーション)は、2014年10月埼玉県にて前年に引き続き本家ツールの1ステージに匹敵するイベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」を開催した。熱狂する30万人の観衆を前に、今をときめく有名選手が全長60キロのコースでしのぎを削る。「プレッシャーはないけど、ツール・ド・フランスと同じぐらいエキサイティングだね」と本家ツール・ド・フランスの総合優勝者クリス・フルームは興奮気味に語った。観戦者の中には、胸中に何かを秘めたようなまなざしでレースを見つめるベルナール・イノー氏の姿も。同氏は競技の一線から身を引き、今はツール・ド・フランスのアンバサダーとして世界各地を飛び回っている。「自分が選手の時代にこういう機会を提案されていたら、すぐに手を挙げていたでしょう。このクリテリウムは、チャンピオンたちがその素晴らしいテクニックを他国の自転車競技ファンに披露する機会でもあります。まだまだ他の国々にもこの種のイベントを広めていきたいですね。」同氏は会見でこのように述べた。上位入賞トップ10の中には、別府史之と新城幸也という二人の日本人選手がいた。本家ツール・ド・フランスに参戦し、この過酷なレースを完走した日本人は今のところこの二人だけだ。 

日本におけるツール・ド・フランスの人気は非常に高く、30年前からテレビ放映もされている。ツール・ド・フランスの1ステージを走る人気イベント「エタップ・デュ・ツール」に参加して実際のコースを走ろうと、毎年ロードレース好きの日本人がはるばるフランスまで足を運ぶほどだ。「さいたまクリテリウム」の成功が証明したのは、大きな可能性を秘めた輸出品としてフランスは「イベント企画能力」を日本に提案できるということだった。そしてもちろん、在日フランス商工会議所が企画する来春開催予定のイベント「ボンジュール・フランス2015」もお忘れなく!

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