窮地に立たされる外国人生徒

日本とフランスでは、学校での外国人生徒の処遇の仕方がまるで違う。日本の教育制度に最も精通したフランス人の一人、クリスチャン・ガラン氏が本誌読者に両国のどこが根本的に違うのかを説明する。

日本の学校で外国人生徒はどのように扱われているのでしょうか?
まず、日本人のいわゆる「帰国子女」の扱いから話をしたほうが分かりやすいでしょう。通常の学校制度では、帰国子女らに一種の「緩衝地帯」を通過させ、日本の学校に適応できるように配慮しています。なぜなら、こうした子供らは外国で「なにかを失った」ものとみなされるからです。こういう措置を設けている国は、私の知る限り日本以外にはどこにもありません。海外赴任者にとって、我が子の日本社会への「復帰」は切実な問題なので、帰国時に他の生徒に比べてあまり不利にならないよう、多くの場合は学費の高い日本の私立の学校に子供を入学させています。
これで、移民の子供らが遭遇する問題の難しさをある程度想像できるでしょう。日本の制度では、こうした子供らはいずれ祖国に帰るものとみなされるので、日本の子供らの中に溶け込むための努力をする必要はありません。教師側にもここまで「違う」生徒を受け入れる準備は全くできていません。だから移民の子の面倒を見るのはNPO、自治体といった学校外の施設です。これに対してフランスの学校教育制度では、移民の子供らはそのまま在留するものと推定されますから、学校はこの子らをなんとか社会に溶け込ませようと、フランス語を長

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