Kansai CCIFJイベント

伝統工芸 日仏の交差する視点 : イベントの振り返り

伝統工芸 日仏の交差する視点 : イベントの振り返り

3つの主要テーマを掘り下げたパネルディスカッション、人々をインスパイアし、自らもインスピレーションに満ちた7名の登壇者活発なネットワーキングビュッフェ、そして東京・石川・福岡からもこのイベントのために駆けつけた約100名の参加者。6月18日に開催された関西日仏学館と在日フランス商工会議所(CCIFJ)関西デスクによる京都で初めての共催イベントは、伝統工芸とその未来という重要なテーマを中心に、大きな成功を収めました

2026年6月18日、関西日仏学館において、フランスと日本における工芸の発展と未来をテーマとした初のセミナーが開催されました。第1部では、デジタル化が工芸分野にもたらす数多くの可能性について議論が行われました。特に、企業の内部管理システムと、物流をはじめとする工芸品の流通・販売手法という2つの観点から、デジタル技術の活用について考察しました。

ヴォヴィ・ピエール(Pierre Vauvy)氏は、家族経営企業である岡山工芸において導入・運用しているデジタルシステムについて紹介しました。500種類以上の生地をリアルタイムで管理する受注システム、2万点を超える図案のデータベース化、さらにはビデオ会議を活用したリアルタイムの色合わせなど、業務の効率化と顧客対応の向上を実現する取り組みが紹介されました。

また、ベルトラン・トマ(Thomas Bertrand)氏は、Ship&Coで20年以上にわたり国際物流ソリューションの開発に携わってきた経験をもとに、海外発送の効率化だけでなく、オンラインでの可視性と実店舗での存在感を組み合わせることの重要性についても語りました。こうしたデジタルツールによって生み出された時間を、職人たちは本来の創作活動へと充てることができるようになります
 

第2部では、「工芸の海外展開」をテーマに、西堀 耕太郎氏岡本 絵麻氏が対談を行いました。日本の伝統工芸を海外へ発信する取り組みは、日本国内における異分野との交流からすでに始まっていました。両氏は、それぞれの好奇心と挑戦心を原動力に、日本のデザインや文化的価値観を新たな視点から捉え直し、海外アーティストとの協働や、これまで参入が難しいと考えられていた市場への挑戦を実現してきました。
 

セミナーの最後は、「文化資源を翻訳するー 継承から価値創出への挑戦」をテーマに、山添 藤真氏佐野 真由子氏盛岡 笑奈氏によるパネルディスカッションが行われました。行政・学術・民間というそれぞれ異なる立場から、イノベーションや新たな取り組みが世界へ広がるためには、公的機関と民間企業の双方による継続的なコミットメントが不可欠であることが示されました。そして、その中心には地域に暮らす人々や職人たちがおり、彼らの存在なくして、持続可能で豊かなエコシステムは成り立たないことが強調されました。

パネルディスカッション終了後は、スポンサーであるMouton CadetおよびVeuve Clicquotのご協力のもと、フランスの味覚を楽しめる特別なビュッフェを囲みながら、参加者同士の交流が夜まで続きました。

本セミナーに熱心にご参加くださった皆様、ありがとうございました。今回のイベントを通じて、これまで十分に注目されてこなかった伝統工芸というテーマが、今一度多くの関心を集めるべき分野であることを改めて実感する機会となりました。今後も皆さまのご参加、ご提案、そして新たな取り組みを通じて、この分野のさらなる発展につながることを期待しております

また、本セミナーにおいてリアルタイム翻訳システムをご提供いただいたCoeFontにも、心より御礼申し上げます。

 

 

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